中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

パンタナールに猛毒物質を散布した牧場主が告発される

 牧場主が猛毒物質をパンタナールに散布、森林を伐採したとして告発されました。ブラジルのメディア14日付によると、告発されたのは牧場主クラウデシー・オリベイラ・レメス(52 歳)で、マットグロッソ州に11の農場を所有しています。

 調べによると、牧場主は飛行機からベトナム戦争で米国が使用した有毒な化学枯葉剤を投下、草を植えて牛の牧草地を作るためにパンタナール川の一部を森林伐採した疑いが持たれています。捜査官は「牧場主は最も背の高い植物を根絶することが目的だった。散布地は葉をすべて失った木々が乱立する灰色の風景になった。これは化学的落葉と呼ばれる結果であり、航空機から保護林に大量の殺虫剤を投下する犯罪散布の証拠である」としています。

 牧場主はこの農薬代だけで2,500 万レアルを支出していました。マットグロッソ連邦大学のヴァンダレイ・ピニャティ教授は、「それは非常に安定した薬剤で、20、30キロ離れたところまで風に乗って運ばれ、他の都市、他の農場、他のプランテーション地域にまで想像をに超えて影響する」と指摘しています。

 検察官は「牧場主はこれまでも環境犯罪で15回有罪になっている」と語り、もし有罪になれば罰金だけで20億レアルになると言います。記者が被災地域の上空を飛行し調べたところでは、森林伐採があった地域は合計8万ヘクタール(サンパウロ郊外のカンピナス市の規模に相当)に達するとしています。