中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

キューバの3分の2が停電

ブラジルでの報道によると、首都ハバナを含むキューバ本島の3分の2が4日、送電網の障害により電力が供給されない状態となりました。同国は米国によるエネルギー封鎖で深刻な経済危機に直面しています。

キューバの電力はインフラの老朽化と燃料不足で供給の中断が繰り返されています。2024年末以降、キューバ本島は5回も大規模停電が起きています。同国では広範な停電に加えて毎日長期にわたる停電が起きており、首都ハバナでも10時間以上の停電を記録しています。

ベネズエラのニコラス・マドゥロ政権(キューバの同盟国)が崩壊した後、米国のトランプ政権がキューバにエネルギー封鎖を課し、電力事情は悪化の一途です。米国がベネズエラにキューバへの石油輸送を中断するよう圧力をかけていることが原因です。キューバには1月9日以降タンカーが入港していなく、キューバ政府はディーゼル販売の停止やガソリン配給、一部の医療サービスの削減といった政策に踏み切らざるを得なくなっています。

エネルギー危機でキューバの公共交通機関は大幅に削減されています。動いている数少ないプライベートタクシー、電動三輪車の運賃は高騰し、食料品の輸送費も上昇しています。キューバ政府は、米国の制裁で電力網の修復が遅れているとしていますが、経済学者はインフラへの投資が不足しているのも一因と指摘しています。

検察庁がカルロス・ボルソナロ氏を公金横領疑惑で捜査再開

オデジャネイロ検察庁(MPRJ)は、カルロス・ボルソナロ議員および他25名に対する捜査を再開し、市議会における幽霊従業員を用いた公共資金横領の疑い(クラックと呼ばれる行為)で調査を始めました。

報道によると、再開の決定は司法長官室で決定されました。検察庁は、前回の提出調書が、当時の議員による銀行金庫からの引き出しやアパートの購入といった点を詳細に分析していなかったと指摘しています。

カルロス氏に対する捜査は、検察庁自らが2024年9月に着手し、当時、7名の事務職員を横領(公共資金の横領を伴う犯罪)で起訴しました。訴状によれば、当時の事務所責任者は、2005年から2021年の間に組織を指揮し、約R$ 1.9 million を調達したとされています。この金額は、事務所が任命した従業員が返還することになるようです。責任者は、カルロス・ボルソナロ氏の辞任後、議会の議員職を継承したアラナ・パッソスの事務所で引き続き勤務しています。当時、事件を担当していた検察官は、証言や報告書は「カルロス・ボルソナロに関するいかなる詐欺的計画も示していない。なぜなら、彼の口座や支払いに関して価値の流通が示されなかった」と主張していました。これに対し判事は、提出書類に異議を唱えました。判事は捜査における抜け漏れや矛盾を指摘し、事件を検事総長室に分析のために送付し、同局は手続きを再開することを決定したものです。

新たな調査の焦点の一つは、2009年にリオ南部地区のコパカバーナに、カルロス・ボルソナロ氏がアパートを購入したことです。調査によればは物件の取得価格はR$ 70,000で、当時、市場価格よりはるかに低いと見なされていました。調査書には、カルロス・ボルソナロ氏が銀行支店の金庫への頻繁にアクセスしたと書かれており、当時は同氏も「そのような金庫に月に少なくとも1回以上アクセスした」と述べていました。この事実は「銀行の金庫は通常、宝石や重要書類、あるいは多額の金銭の保管を目的としている」ため、大きな注目を集めていました。

今回の調査対象には、前大統領ジャイル・ボルソナロ氏の元妻であるアナ・クリスティナ・シケイラ・バジェ氏ら26名が含まれています。彼女は2001年から2008年までカルロス・ボルソナロの首席補佐官を務めていました。財務情報報告書は、彼女の口座に合計340,000レアルに達する現金預金があることを指摘しています。

メキシコの大物麻薬密売人が死亡

ブラジルでの報道によると、メキシコで大きな麻薬密売組織の幹部が軍事作戦で死亡しました。

報道によると、死亡したのはメキシコの麻薬密売人ネメシオ・オセゲラ・セルバンテス(通称「エル・メンチョ」)で、22日の軍事作戦で死亡しました。同国防衛省の調査では、エル・メンチョは元警官で、メキシコで最も影響力のある麻薬密売組織を指揮し、その組織の中でも最も暴力的な人物の一人と見なされていました。当局は、ハリスコ州タパルパ市での軍事作戦で重傷を負い、メキシコシティへ飛行機で転送される際に死亡したと述べました。この軍事作戦では他のメンバー数名も死亡しています。軍の3名も負傷しました。

この作戦で防衛省は、ロケットランチャーを含む複数の装甲車両や武器を押収したと発表しました。エル・メンチョの指揮で同組織は急速に拡大し、薬物の製造・販売に専念、さらに地元企業への恐喝も行っていました。また、米国など他国へも進出、悪名を高めていました。米国はエル・メンチョの捕獲につながったことで、米ドル1500万の報奨金を提供したといいます。

サンパウロ市でインフルエンザによる死亡者が急増

 サンパウロ市でインフルエンザによる死亡者が60%近く増加、同市役所は今週初めから市内の鉄道駅、地下鉄駅、バスターミナルにワクチン接種ポイントを設置し感染拡大防止に努めています。ブラジルメディアが報じています。

 サンパウロ市の調べでは、今年1月から5月までのインフルエンザによる重症急性呼吸器症候群SARS)による死亡者数が、2024年の同時期と比べ57.1%(昨年の77人から121人に)増加しています。サンパウロ市は感染防止のためワクチン接種キャンペーンを展開していますが、優先グループでもワクチン接種率はわずか40%と目標の90%を大きく下回っています。

 感染症専門医は「高齢者、6歳未満の子ども、妊婦などは重篤な症状に陥り安い」と特にワクチン接種を勧めています。

日伯の人材交流を促進

 ブラジルのルーラ大統領の訪日が27日に終わりました。今回の訪日で日伯関係はより強固になりました。両国は50以上に渡る「日伯アクションプラン」に゙署名、2年毎にお互いを訪問することで一致しました。
 アクションプランの中には東京ーサンパウロ間の直通航空機の再開促進や若い世代に人気のある「ワーキングホリデー」締結へ向けての交渉といった日伯間の人物交流促進策なども謳われています。

メキシコ大統領がトランプ氏に反論

 次期米国大統領のトランプ氏が世界最大のメキシコ湾の名称をアメリカ湾に変更しようと提案した件で、メキシコ大統領が大々的に反論しました。ブラジルでの報道によると、メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は8日、トランプ氏の発言に反論、「米国をメキシコ・アメリカに改名してはどうか」と逆に提案しました。

 トランプ氏はこの他にも、「グリーンランドパナマ運河を占領するための軍事力の行使を排除しない」とか、「経済的圧力でカナダを併合する」などと扇動的な発言を行っています。こうした一連のトランプ発言にメキシコ大統領は記者会見で、「当然、メキシコ湾は国際的にも国連にも認められている。しかし、なぜ(米国を)『メキシコ系アメリカ』と呼ばないのだろうか?素敵な名前だろう?それではそう呼ぼう」と皮肉りました。

 メキシコ大統領府の政治顧問アルフォンソ・スアレス・デル・レアル氏も、「メキシコ湾の名前はアメリカが存在する前からの歴史的なもので国際機関に登録されており、国際機関はメキシコ湾の名前を航海上の参考文献とみなしている」と話しています。

アルゼンチン・ミレイ政権1年の功罪

 アルゼンチンがハビエル・ミレイ政権になって1年になりますが、インフレは低下したものの貧困の増加が目立っています。ブラジルのメディアが10日付で報じています。

 報道によると、インフレ率は2023年12月の25%から2024年10月の2.7%に減速しました。その反動として購買力が低下、消費は2024年には12.5%減少すると見られています。また、貧困率は41.7%から2024年7月には52.9%に上昇し、最近では49.9%に落ち着いています。

 ミレイ大統領は就任にあたり、政治と経済の根本的な変革を宣言しました。中央銀行を閉鎖し、ペソを廃止して国家通貨としてドルを導入するというものでした。ミレイ政権の支持率は56%と高めですが、攻撃的な政策が71%の人に拒否され、彼の発言を信じている人はわずか28%になっています。

 議会でミレイ派は少数派で、提出した法案がなかなか承認されません。提案された600件の法案で承認されたのは200件のみでした。発言も大きく変わり、選挙中にはフランシスコ教皇を「低能者」と呼び攻撃していたのに態度を変え訪問したり、断行すると息巻いていた中国への訪問も計画しています。これでは国民がミレイ大統領の発言を信じられないのも当然かも知れません。

犯罪組織は合法ビジネスでも荒稼ぎ

 ブラジル公安は6日と、犯罪組織は2022年にタバコ、金、燃料、飲料など合法取引によって少なくとも1,468億レアルを稼いだという調査結果を発表しました。ブラジルのメディアが報じています。

 発表によると、大手の犯罪組織プリメイロ・コマンド・ダ・キャピタル(PCC)、コマンド・ヴェルメーリョの2組織は「麻薬密売だけでなく、他の活動でもより多くの収益を上げている」と指摘、合法的なビジネスによっても利益を上げているとしています。

 調査で明らかにされている取扱商品はタバコ(103億レアル)、金(182億レアル)、燃料など( 614億レアル)、飲み物( 569億レアル)などです。これらの製品のブラジル市場における占拠率は14.7% に相当し、公安は「日常生活に影響を与え、経済を混乱させている」と強調しています。犯罪組織の販売でなければ、これらの商品の販売で収益の20%程度は税収になっていたとしています。

ブラジルには1万2400ものファベーラ

 ブラジル地理統計研究所(IBGE)が8日発表した2022年国勢調査のデータによると、ブラジルには合計1万2400のファベーラ(貧民地区)があります。9日付のブラジルメディアが報じたもので、ファベーラには全人口の 8.1% に相当する1,640万人が生活していると言います。2010年の調査での割合は6%でしたので、ファベーラ居住者は増加傾向にあるようです。

 ファベーラは南東部と北東部の沿岸部、農村部、アマゾン川流域に多く存在しています。最も住民の多いファベーラはリオデジャネイロの南地区にあるロシーニャで、72,000人の住民が住んでいます。2番目は連邦直轄区にあるソル・ナシェンテで、住民数は7万9千人に上ります。

 2010 年以降、最も人口が増加したファベーラはサンパウロのパライソポリスで、住民が42,800 人から58,000 人に増加し国内で3番目に大きなファベーラになりました。調査では、ベレン市とマナウス市は人口の半分以上がファベーラに住んでいるとしています。

 IBGEはファベーラの特徴として宗教寺院が多く、医療施設が少ないと指摘しています。