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ルーラ・マドゥロ会談で和平を模索

 ブラジルのメディアによると、ルーラ大統領は28日、カリブ諸島へ出発します。カリブ諸島訪問後、カリブ諸国共同体(カリコム)首脳会議出席のため、ガイアナへ移動します。

 首脳会議ではガイアナと紛争中で大統領選を控えているマドゥロ政権が議題の中心になると見られています。ベネズエラの同盟国であるブラジルにとって、この問題は大きな課題とも言え、ルーラ大統領はベネズエラマドゥロ大統領との会談で解決策を探ると見られます。

 ブラジル政府はベネズエラ大統領選の自由選挙を望んでおり、ガイアナ・エセキボ地域でのベネズエラの軍事行動を支持しないというシグナルを送っています。

 カトリック大学政治研究センターのベニグノ・アラルコン所長は「国内で弱体化したマドゥロ大統領は、常に外部紛争を通じて国を統一したいと考えているのかもしれない」と指摘し、それでも軍事行動は行わないだろうと見ています。しかし、「マドゥロ政権は国境での軍事駐留を強化している」と注意深く見守る必要があると言います。

 ベネズエラ中央大学(UCV)出身でベネズエラ選挙評議会(CNE)のルイス・サラマンカ氏は「ルーラ、コロンビアのペトロ両大統領が「マドゥロ大統領とチャベス派のエリート層を説得することで、和平交渉の道を切り開くのに役立つ可能性がある」と語り、「危機から平和的に抜け出す方法は、ブラジルとラテンアメリカにとって大きな関心事です。ルーラ氏はマドゥロ氏に助言できるかもしれない」とルーラ・マドゥロ会談に期待を寄せています。