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ベネズエラとガイアナの紛争は国連安保理の舞台に

 国連安全保障理事会は8日、現在ガイアナに属しているエセキボ地域を併合しようとするするベネズエラの行動を議題に招集されます。ブラジルのメディアによると、この会議は非公開で行われ、安保理に付いての情報は外部には非公表です。ベネズエラはエセキボ地域を併合する動きに、ガイアナイルファーン・アリ大統領は、国連安全保障理事会に訴え、「ガイアナ国防軍は厳戒態勢を敷いている。ベネズエラは自らを無法国家と宣言した」と述べました。

 両国のエセキボ地域を巡る紛争は100年以上も続いています。同地域は19世紀後半からガイアナ支配下にあり、ガイアナ国土の70%を占める広大な面積で、125,000人が住んでいます。ベネズエラガイアナが独立する前の1966年に英国と締結した協定で自国の領土と主張し、ガイアナは国境が確立された1899年にパリで行われた報告書により、領土の所有者と主張しています。

 ブラジル国際関係センター上級研究員であるロナウド・カルモナ氏は、「エセキボ問題はこの地域の植民地主義の歴史の名残リだ」と説明します。同地域には大量の石油埋蔵が確認され、紛争を激化させることになりました。ガイアナのアリ大統領は「ブラジルのリードで問題の解決に当たってほしい」と述べています。

 ブラジルっは紛争で中立の立場であり、マドゥロ大統領はこの問題でルーラ大統領と争う可能性が低いと思われます。しかし、ベネズエラガイアナの50倍の兵力を持っています。ブラジルは国境に軍隊を集結し、ベネズエラがロライマ北部のブラジル領土を通過するのを阻む姿勢です。ブラジルの領土を通らないとしたらベネズエラは、鬱蒼とした密林を通ってガイアナへ侵攻しなくてはならず、軍隊の前進は不可能と見られています。ただ、海路で攻めるという方法がないわけではありません、

 ルーラ大統領はベネズエラマドゥロ大統領に、「ブラジルはいかなる愚かな行為も支持しない」というメッセージを送りました。この動きは、同地域に不安定をもたらすマドゥロ政権の動きに不承認の意思を表明したと受け取られています。数日中にルーラ大統領はマドゥロ大統領とアリ大統領と電話会談する予定です。