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弁護士がサウジアラビア政府贈与の宝飾類販売、回収を否定

 ブラジルのメディアによると、サウジアラビア政府からブラジル政府に送られたロレックス時計、宝飾品をボルソナロ大統領元顧問マウロ・シド氏が違法に販売し、連邦会計検査院 が物品の即時返還を要求することになり慌てて回収をした違法販売問題で、連邦警察が関係者の調査を始めましたが、調査対象の一人であるボルソナロ大統領の顧問弁護士だったフレデリック・ワセフ氏が15日、サンパウロで記者会見を開き、弁護士は渡米して時計を購入したことは認めましたが、ボルソナロ大統領元顧問マウロ・シド氏の命令で米国に行ったことを否定し、回収作戦に加担したのではないと述べました。

 ワセフ弁護士は渡米しロレックスを購入したことを認めましたが、米国への旅行は時計を購入する前からすでに予定しており、あくまでも個人的に休暇を楽しむために行ったと強調しました。弁護士は「購入は自分の金で行い、会計検査院の要請に応じるために連邦歳入庁に届けた。購入した時計が、違法販売された時計と同じものかどうかは判らない」と語り、明らかにしませんでした。会見で弁護士は4万9000米ドル相当の購入レシートを見せながら、「私は政府に30万レアルの貸しがある」と語りました。

 高額の贈り物の違法販売を調査している連邦警察は、これまでに押収した資料の分析を続け、最高裁にボルソナロ元大統領夫妻の秘密銀行口座の調査を要請しています。連邦警察は弁護士が開示した署名入りの領収書が、弁護士に対する容疑の「決定的な証拠」であると考えており、証言を求めるために同弁護士を呼び出す予定です。 警察はまた、前大統領に贈られた贈り物を買い戻すための資金を誰が提供したかについても調査、現金か銀行振込かなど、金額をどのように受け取ったのかなど金の流れを調べる予定です。

 警察の調べによると、サウジアラビア政府から時計と一緒に送られた宝石類も米国で販売されていましたが、こちらはマウロ・シド元顧問が回収したとされています。