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厳しくなるブラジルの銃所持

 ブラジルのメディアによると、フラビオ司法・公安大臣は23日、ブラジル国内の銃器に関する新しい規制を定めた政令をルーラ大統領に提出する予定です。新政令では、現在登録されている939,000丁の武器の検査基準が新たに設けられることになり、国民一人当たりの武器所持数が制限されます。

 現行ルールでは、スポーツシューター、つまりスポーツとして射撃の練習をする人の武器は60個までと定められています。そのうち、許可された使用目的の銃器が30丁、制限された使用目的の銃器が30丁となっています。狩猟者の場合、現行の規則では、許可された用途に15本、制限された用途に15本の計30本の武器を所持することができます。

 これが新法令では、所持者をレベル分けするほか、レベルによって所持数が決まります。レベル1は許可された用途の銃器は4丁まで、許可された口径の銃器1丁につき年間2,000本のカートリッジを所持できます。レベル2はハンドガンを8丁まで、弾丸はハンドガン1丁につき年間6,000発まで。レベル3は許可された使用目的なら16丁まで所持できます。

 ハンターには、さらに大きな規制がかかります。30丁の武器所持だったのが、単発式で、銃身が1または2本、口径が16以下という武器を許可制で1丁しか持てません。

 また、銃器の流通を管理する権限が陸軍から連邦警察に移され、連邦警察は射撃スポーツ団体および射撃指導サービス会社の登録と検査、武器、弾薬、アクセサリーを扱う施設の登録と検査を行います。さらに連邦警察は陸軍や警察など治安機関の協力を得て検査を実施できます。

 この変更は、ルーラ大統領の「武器の流通規制強化」という選挙公約を実行に移すもので、個人による銃の新規登録、射撃クラブや学校の新規登録などが停止されます。大統領は就任早々の1月、武器・弾薬の入手を容易にする規則を撤廃する政令を出す一方、法務省・公安省が銃器の強制再登録を実施しました。

 ボルソナロ前大統領が銃規制を緩和した政策を180度変更するものですが、新政令の公布がいつになるのかは未定です。