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治安維持に軍隊出動、元大統領はメキシコへ脱出

 ブラジルでの報道によると、エボ・モラレス大統領が辞任後、ボリビア軍は11日、警察の要請により首都ラパスや近隣都市で展開する暴力的なデモを阻止するため軍隊を出動させると発表しました。軍は、デモが収まり、国内全体が落ち着くまで撤収しないとしています。

 国内では大統領辞任表明後から、新大統領派、反大統領派による過激なデモが繰り広げられ、大統領派はラパスのダウンタウンバリケードを築きバスに放火、警察と衝突を繰り返しました。暴徒による商店や住宅での略奪なども行われ、反モラレス派が築いた略奪を防ぐバリーケードをモラレス派が攻撃するなど騒動は拡大、警察は銃撃してくる暴徒に対し催涙ガスなどで対抗しました。しかし、警察は「デモ隊は殺害の意図を持って暴れており、我々の警備には限界がある」と、軍に出動要請をしました。

 モラレス元大統領は亡命受け入れを表明したメキシコに向け11日、モラレス氏の拠点であるコチャバンバからメキシコの飛行機で出発しました。同機は給油のためペルーに立ち寄る予定です。ペルー政府は同機の国内侵入を許可したと発表しています。また同国政府は「ボリビアにおいて平和的に速やかに秩序が回復することを期待する」と表明しました。