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ペルーの抗議デモで42人死亡

 ブラジルのメディアによると、ペルー政府が首都リマ市に30日間の非常事態を宣言するなど、ペルーの危機は収束しそうもありません。ペルー政府は15日、リマ市に非常事態を宣言しました。この措置は30日間続き、秩序を維持するために軍の介入を許可しています。

 ペルーの抗議デモでは、数週間で少なくとも42人の死者が出ており、このためボルアルテ大統領は治安を回復するために非常事態を宣言しました。15日から始まった非常事態はクスコとプーノ地方、リマ市近郊のカヤオ港に出され、アンダワイラス州、タンポパラ州、タフアマヌ州、マリスカル・ニエト州、トラタ州など5州の国道で規制が行われています。

 とくにプーノ地方では10日間の「強制社会動員令」が布告され、同地域の住民は午後8時から午前4時まで外出が禁止されました。この騒ぎでブラジルからのツアー客は抗議と衝突のためペルーで足止めされいましたが、先ごろブラジルに帰国しました。有名なマチュピチュの玄関口であるクスコの空港は7日に再開されましたが、予防措置として12日に再び閉鎖されました。

 ペルーの抗議デモは、ペドロ・カスティージョ前大統領が議会を解散して政令で統治しようとしたのをクーデターとみなされ追放されたことに支持者が反発して始まりました。南部から始まった抗議デモはほぼ全国に広がり、バリケードを築くなど激しく抗議しています。デモ隊の要求は、新しい総選挙の実施とボルアルテ大統領の退陣です。

 ボルアルテ大統領は13日夜、テレビ演説を行い、退陣を拒否しました。