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エクアドルで自衛の武器所持を許可

 ブラジルのメディアによると、エクアドルのギジェルモ・ラッソ大統領は1日、全国放送のテレビで、国内における不安の波と戦うための方策として、自衛のための武器所持と携帯を許可すると発表しました。エクアドルは組織犯罪や麻薬取引グループの暗躍で、治安が最悪の状態になっています。

 大統領は治安の悪化を懸念、民間人が武器の所持と携帯を認め、「法律や規則の要件に従った個人防衛の使用を認める」と述べました。同時に、国内の治安維持のために、軍隊、国家警察、情報機関が共同作戦を取るための部署を創設することも明らかにしました。

 麻薬取引や犯罪に悩まされている南西部のグアヤキル港など3地域には非常事態宣言が発令されました。同地域では60日間、午前1時から午前5時まで夜間外出が禁止され、集会も禁止されます。2021年5月から政権を担っているラッソ大統領は、「われわれには、非行、麻薬密売、組織犯罪という共通の敵がいる」と述べ、頻発する誘拐、殺人事件、白昼の銀行強盗などの防止対策を強化するとしています。

 こうした治安悪化の中でラッソ大統領は31日から、汚職容疑で国会で弾劾審査が始まるという政治的な危機状態にあります。大統領は容疑を否定していますが、地位が不安定な時期であり、治安対策が機能するかどうか、予断を許さない状況です。