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チリの憲法制定評議会で右派政党が勝利

 ブラジルのメディアによると、チリの憲法制定評議会の選挙が7日行われ、極右とされる保守派の共和党(元大統領候補ホセ・アントニオ・カスト代表)が35.5%の得票率で議席の5分の2以上を獲得、首位に立ちました。これに、従来の右派連合であるチリ・セグロの得票率21.1%が加わり、右派政党が新憲法制定に向け主導権を握ったことになります。

 カスト代表は「今日は、チリにとってより良い未来、新しい始まりの最初の日だ」と勝利を宣言しました。2位は得票率28%強のガブリエル・ボリッチ大統領率いる左派連合で、残りは中道政党が獲得しました。ボリッチ氏は3月に大統領に就任しましたが、経済の不況と犯罪の増加で支持率が急落し、憲法問題で敗北しまた。

 新憲法を起草することになったのは、2020年、国民の約80%が賛成したためで、最初の草案は社会的給付、環境権、男女平等、先住民の権利に焦点を当てた進歩的なものでしたが、条文があまりにも偏向的だと国民に不評で、選挙で選ばれた議員たちは、3月に議会が任命した24人の憲法専門家がまとめた草案に基づき、6月から新文章の起草を開始します。国民は12月にこの新条文案を承認するかどうかの判断を行います。

 ボリッチ大統領は投票結果を受け記者団に「政府はこのプロセスに干渉せず、審議機関の自治を尊重し、保証人として、新評議会の要求を支持する」と語りました。さらに評議員たちに「次の選挙のことを考えるのではなく、次の世代のことを考えるように」と注文しました。