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チリで35歳の左派大統領が誕生

 ブラジルのメディアによると、19日に行われたチリ大統領選挙で、元学生運動リーダーで左派連合候補のガブリエル・ボリック氏が超右派のホセ・アントニオ・カスト氏(弁護士)を破り当選しました。来年3月に大統領に就任します。

 11月21日に行われた大統領選第1ラウンドでボリック氏は25.82%の得票で、カスト氏の27.91%に及ばず2位でした。選挙戦は19日の第2ラウンドにもつれ込み、ボリック氏が55.9%を獲得、カスト氏は44.1%で、第1ラウンドの劣勢を逆転、当選しました。共産党を含めた左派連合の勝利となりました。

 30年前にチリが再民主化以来、第1ラウンドで負けた候補が逆転勝利したのは初めてです。当選したボリック氏はわずか35歳で、史上最年少のチリ大統領になります。独身で、社会党キリスト教民主党を支持する家庭で育ちました。彼は「ヨーロッパは福祉国家であり、そうした国を目指したい。希望は、財布にいくらお金を持っていても誰もが同じ権利を持つような国にすることだ」と述べています。

 今回の選挙戦は左派と右派ががっぷり4つに組んでの戦いで、その成り行きが注目されていました。ボリック氏は活性化された進歩的な左翼を代表し、カスト氏は「法と秩序」を主張する超保守派の代表でした。ボリック氏の当選の原因は、年金・教育の改革、フェミニズム、気候危機などへの言及が受け入れられた、と見られています。