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チリ大統領選は極右と左翼の接戦

 ブラジルのメディアによると、21日に行われたチリの大統領選挙第1ラウンドは極右と左翼の候補者がわずかな差で競っています。右派のホセ・アントニオ・カスト候補(共和党)が得票率28%でリードしています。2番手で左派のガブリエル・ボリック候補(左派同盟)が25%で続いています。

 第1ラウンドでの当選には有効投票の50%を超える必要があり、大統領選は12月19日に予定されている第2ラウンドで勝敗が決します。右翼候補のフランコ・パリシは得票率13%で3位でした。現大統領のセバスティアン・ピニェラ氏は国民に人気が無く、出馬しませんでした。

 リードしているカスト候補は、極右を代表する55歳の保守的な弁護士です。共和党の創設者の1人で、ピノチェット独裁政権を受け継ぎ新自由主義モデルを維持しようとしています。公約は、減税、国有企業の民営化、男女共同参画省廃止、「秩序、安全、自由」を重視するというものです

 一方、ボリック候補は35歳の元学生運動リーダーで、大統領選に立候補できる最低年齢です。共産党を含めた左派同盟の候補者で、ヨーロッパ諸国の国家モデルを提唱し、最低25万ペソ(約35.000円)の年金創設を提案しています。年金の資金は労働者から10%(18%まで徐々に増加させる)を徴収するとしており、その一部は雇用主が負担することになります。