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ブラジル大統領、葬儀出席を選挙に利用するのかと問われ激昂

 ブラジルのメディアによると、ボルソナロ大統領夫妻は19日、ウェストミンスター寺院で行われたエリザベス女王の葬儀に参列しましたが、大統領は式典への出発を前にロンドンのブラジル大使公邸で記者会見しました。会見で「この旅行が大統領選挙選に利用されるのではないか」と質問され、「私が政治をするためにここに来たと思うか」と怒りをあらわに会見を打ち切りました。

 会見の冒頭、葬儀に参列することについて問われた大統領は「誰もが満を持して参列するだろう」と述べ、最高裁がルーラ元大統領に無罪判決を出したことに触れ、「なぜ、泥棒を大統領に戻したいということにこだわるのか? あの一味と一緒に泥棒を大統領の座に就かせるこれをすばらしいと思う人はいますか?」とも述べました。さらにボルソナロ政権での横領疑惑には触れず、「汚職のない3年半だった」と強調しました。

 ボルソナロ大統領は政治利用するためロンドン行きを探っていた可能性があり、18日にはブラジル大使館公邸のバルコニーから支持者に対し、「大統領選の第1ラウンドで勝利する」と述べました。しかし、直近の世論調査ではルーラ前大統領が45%、ボルソナロ大統領は33%と大きく水を開けられています。

 英国でのこうした大統領の姿勢は、外交官に不快感を与え、選挙戦では対立候補からの批判を招いています。大統領候補の中には上級選挙裁判所に、「ボルソナロ大統領がロンドン旅行の画像を選挙キャンペーンで使用することの禁止」を要請したものもいます。