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ブラジリアの暴動は組織的なクーデターか

 ブラジルのメディアによると、ルーラ大統領府は17日、大統領の公邸であるアルボラーダ宮殿の管理調整業務で謝礼を受け取っていた軍人40人を解任しました。解任されたのは海軍、空軍、陸軍の下級軍人で、その中には独裁政権時代に拷問したとされる軍人(故人)の従兄弟も含まれていました。

 拷問した軍人はボルソナロ前大統領によって国民的な「英雄」とされていて、その従兄弟は12月下旬、ボルソナロ氏家族の米国出張に伴い、警備チームの一員としてオーランドへ同行していました。ボルソナロ氏はブラジリア暴動への関与で捜査対象にっており、旅先の米国で、米国から帰国後に逮捕されたトレス前法相と共謀した疑いが持たれています。

 ボルソナロ前大統領の支持者による暴動事件でルーラ大統領は先週、「連邦管区の軍と憲兵隊が過激なボルソナリストと共謀しているのを見た」と軍の行動に不信を表明していました。大統領は公邸の破壊が激しく、いまだにアルボラーダ宮殿への移動ができないままです。

 大統領、副大統領、大統領官邸の警備を担当する制度保安閣(GSI)も17日、陸軍中佐を含む3人の軍人を大統領府治安維持活動総合調整部の軍事技術顧問の職から解任しました。