中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

国連がベネズエラ政府の人権侵害を非難

 ブラジルのメディアによると、国連は20日、「ベネズエラの情報機関は野党を取り締まるため、政府最高レベルからの命令で、人道に対する罪を犯した」とする報告書を発表しました。同報告書は、「拷問や性的暴力などの重大な犯罪や人権侵害を行った」と非難しています。

 国連の調査と分析では、ベネズエラは情報機関やその代理店を使って、国内の反対意見を弾圧しているとし、「情報機関は政府への反対を抑圧するため人道に対する罪である拷問を行うなど、マドゥロ大統領や高官の計画を実行に移している」と指摘しています。 

 拷問などを行ったのは、ベネズエラ大統領などの計画に沿って国家情報局と軍事防諜総局が行ったもので、2014年から現在までに軍事防諜総局の代理店などが行ったという122の事例が紹介されています。拷問の方法は、「物による殴打、電気ショック、ビニール袋による窒息、無理な態勢をとらせる、心理的な責め」などで、カラカスの本部や全国にある秘密拘置所で行われたとしています。

 首都カラカスでは、人権侵害を指摘するNGOや拘束者の釈放を求め記者会見を行っていた親族を威嚇するなど、マドゥロ政権の政策を非難する人や人権組織に対する弾圧は激しさを増しており、国連の担当者は「非常に心配だ」と述べています。

 国連によると、当局は反体制派や政府に反対する人(マドゥロ大統領や側近、政府高官が選んだ野党政治家、ジャーナリスト、抗議者、人権擁護者など)を逮捕、拷問していると指摘しています。