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疑惑まみれのボルソナロ前大統領

 ブラジルのメディアによると、上級選挙裁判所はが19日、ボルソナロ前大統領の権力乱用疑惑の調査を始めました。同裁判所では、すでに前大統領に対する16件の訴訟が進行中で、そのうちの7件で公判が開かれています。

 問題となっているのは、大統領選でボルソナロ氏がプラナルト宮殿(公邸)とアルヴォラーダ宮殿(官邸)を不正使用した疑惑で、裁判所は「選挙法では、公共財産を私的に使用することを無制限に許可してはいない」と指摘し、「公邸を大統領が選挙運動に利用できるのは戦略や政治的同盟を構築するための私的な人物と懇談する場合で、知事や連邦議員、有名人といった人と会談する表向きの選挙行為の舞台にはできない」と述べています。

 ボルソナロ氏は扇動キャンペーン行為の実現のための舞台に官邸、公邸を使用したというのが今回の疑惑です。もう一つ、ボルソナロ陣営は、牧師、宗教団体、実業家などで構成される支援者のネットワークを利用し、受け取った資金の支出などを選挙裁判所の管理下に置くことなく、選挙戦を展開した疑惑も持たれています。