昨年12月から今年4月に延期されたリオデジャネイロ、サンパウロ、カンピーナス間の高速鉄道事業入札が2か月後に迫り、ブラジル企業が活発な動きを見せています。昨年12月は、実際に工事を手がけるブラジルの建設会社の取り込みがうまくいかず各国が応札を見送りました。地元エスタード紙によると、ここにきて建設業界の動きは様変わりしてきました。
入札は4月11日の予定です。国内の建設業界は入札に合わせ、政府や関係機関と応札に向けた下準備を始めました。政府が提示している高速鉄道建設事業費は330億レアル。建設各社はこの予算内で建設が可能かどうかを探るとともに、国内外の企業との交渉を行い始めています。
パウリスタ公共事業主協会は先ごろ、在ブラジル中国大使の仲介で中国の中国通信建設会社と話し合いの場を設けました。同社はすでにブラジルに進出している企業で、サントス港の浚渫を請け負うなど実績を積んでいます。
公共事業主協会のルシアノ・アマジオ会長は、今月中に社会経済開発銀行と融資条件などについて懇談することが決まっており、国家陸路輸送庁とも協議する予定があるとされます。
アマジオ会長は、「昨年末の段階では政府が提示した事業計画がはっきりしていなかったが、現在はプラン変更も含めて明らかになっており、見積もり額も把握できている」とし、建設業界が入札に加わる意思を明確にしています。同会長によれば、高速鉄道建設に対する政府の態度が曖昧だったために建設業界が応札に興味を示さなかったと語っており、建設業界の関係者も「参入するかどうかは別問題として、現在の建設業界は高速鉄道事業に大きな関心を示すようになった」と話しています。