中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

リース携帯電話は割安か、割高か

 ブラジルのメディア3日付けによると、現在、国内で携帯電話のリースが人気を集めています。「ブラジル人は2年ごとに携帯電話を交換する習慣がある」と言われ、最新のカメラ、より進んだプロセッサ、優れたデザインのスマートフォンが登場し、購入意欲をかき立てます。しかし、誰もが毎年新しい電話を買う余裕があるわけではなく、リースはそういう欲求不満の人を狙った商法です。

 iPhoneを持ちたいが製品が高すぎると感じている人、ファッショナブルな新しい電話を持ちたい人がリース携帯電話の対象になります。リース会社によっても支払い方法やリース額は違いますが、一般的には契約金の分割支払い方法などもあり、新商品を購入するよりも割安に設定されています。

 実際にリース契約を選んだ人は、「保険料も含まれており、店頭で新品を購入するよりも月額料金が安いことに魅力を感じた。これだとクレジットカードの限度額を一度に越えることもない」と話しています。

 リース品は新品だけとは限りません。希望すれば中古品のリースも可能です。スタイリストをしている女性は昨年11月、中古のiPhone12をレンタルしました。彼女は「職業柄、常に新しい携帯電話が必要なため」と言います。また、ジャーナリストは新品のiPhone13Proをレンタルしました。「料金は1年間4,300レアル(約11万円)だった。同じモデルを購入すると、10,700レアル(約27万4千)位になる」といいます。

 リース会社によっては期間終了後に商品を買い取ることも可能です。ただ、払い込んだリース料金が減額されるわけではなく、市場価格で購入することになります。

 このリースは本当に有利なのかどうか。財務関係者の話では、使用頻度、何年ぐらい使うのか、1年ぐらいで新機種に変更したいのか、といった点を吟味し決める必要があると言います。常にリースが特と言うことではないそうです。

パラグアイにドイツ人移住者が増加

 ブラジルのメディア1日付によると、パラグアイにドイツ人が数多く移住してきています。パラグアイ移民当局のデータによると、2021年6月から2022年2月の間にドイツ市民1,324人に居住許可証が発行されています。別の情報によると、違法に入国している移住者もいて、その数は何千人にもなるといいます。

 ドイツからの移民が定着するのはパラナ川のほとりにあるオエナウ、オブリガド、ベラビスタの3つの地域で、この地域には45,000人が住んでいます。ここは1900年にブラジル生まれのドイツ人の子孫と他の少数のドイツ人家族が最初に開拓し、その後ドイツ出身の入植者によって拡大されました。

 こうした事情からここにはドイツ文化とドイツ語の両方があり、ドイツの学校、ドイツのルーテル教会、福音教会が整備され、住民の多くはドイツ語を話します。オブリガド町の入口には「Fuhl dich wie zuHause」(おくつろぎください)とドイツ語で書かれた看板が掛かっているほどです。

 ホエナウのドイツ系であるエンリケ・ハーン市長は「ここに新しい移民がやってくるのは、ここを快適に感じ、住民が彼らを友好的に扱い、ドイツ語を快適に話すことができ、くつろげるからだと思います」と話します。

 ドイツ人が母国を離れ、パラグアイに新天地を求める理由は何なのか------。一つは、新型コロナのパンデミック開始以来の厳しい制限から逃れるためです。二つ目は、ドイツへのイスラム教徒移民の増加です。アンゲラ・メルケル元首相の門戸開放政策で2015年以来、100万人以上の移民と難民(アフガニスタンイラク、シリアから)がドイツに入国したといわれています。

 新パラグアイ移住者の1人は「国内にドイツ人、イスラム教徒グループが形成され、国が分断されつつある。そうあるべきではない。私たちは平和に暮らしたいのですが、多くのイスラム教徒が入国してくれば、それは不可能。犯罪、殺人、レイプも増加している」と指摘します。そして、「パラグアイキリスト教の国であり、私たちはキリスト教の文化から来ている。ここなら、同じ価値観で暮らせる」と語ります。

 4年前に夫と一緒にパラグアイに到着した女性は「ドイツでの年金はどんどん小さくなるばかり。ドイツはもはや私たちの国ではなくなった」と移民の理由を説明しました。

ペルー大統領、危機一髪で難逃れる

 ブラジルのメディアによると、ペルーのペドロ・カスティーヨ大統領は28日深夜(ブラジル時間午前2時)までに帰国しなければ憲法違反で弾劾裁判にかけられるところでしたが、締め切り1時間前にトゥンベスの国境検問所に到着、難を逃れました。

 カスティーヨ大統領はエクアドルを訪問していましたが、帰国する時になって悪天候で飛行機が飛ばず、やむを得ず車で5時間かけて帰国したものです。ペルーの領土に着いたのは刻限ギリギリの一時間前というきわどさでした。

 ペルーのマグナカルタ(イギリスの憲法の最も基本的な部分)は気象上の理由という例外規定を設けていないため、時間を守れなかった場合、議会の多数を占める反対派に大統領解任の口実を与えるところでした。

ブラジルの携帯電話5G通信は11都市から開始

 ブラジルのメディア28日付によると、世界が第5世代の携帯電話ネットワークである5Gを使い始めてから3年が経ちました。ブラジルでは5G技術は3カ月後から実施される予定ですが、インフラ整備の遅れで当面適用されるのは10州都と連邦直轄区のブラジリアのみです。

 予定では26州都と連邦直轄地で利用できるようになるとされていますが、5G電波の設備を建物の上または公共の街灯柱に設置出来るのは法律上、10州都と連邦直轄区に限られています。他の州都は市役所が機器の設置を許可する市法を承認する必要があり、インフラ整備が遅れているためです。

 5Gの通信速度はこれまでの3G、4Gの最大100倍と言われ、接続が途中で切断され、画像がフリーズすることもなくなります。ところが5Gは波長が短いため、従来の4Gとくらべ10倍の装置設置が必要とされます。Claro、Vivo、TIMがオークションで5G通信の権利を獲得していますが、国内全域での実施までには時間がかかるとしています。

大統領が軍隊による開票を提案=ブラジル=

 ブラジルのメディアによると、ボルソナロ大統領は27日、上級選挙裁判所に軍隊による開票を提案したと述べました。上級選挙裁判所は、開票が秘密で行われていることを否定しています。

 大統領は大統領府で行われた政府要人の集会で述べたもので、「票数は秘密の部屋で数えられるため、軍が投票のデータにアクセス、独自に票数をカウント出来るようにする」と説明しました。そして、「今後数日で選挙裁判所が軍の提案に対応することを望んでいる」と続けました。

 この大統領の提案に上級選挙裁判所は昨年7月、「開票が法廷で密かに行われているという主張は誤りだ」と反論しています。同選挙裁判所によると、投票結果の計算は投票終了直後に電子投票箱によって自動的に行われます。電子投票箱の内容は5部印刷され、そこには無効投票、空白投票、各候補者と政党の投票数などが明示されています。

 印刷されたコピーの1枚は投票所に掲示され、すべての人に投票結果が公開されます。この票数が最終決定になります。残りのコピーは政党の検査官に渡されます。前回の選挙までは、地方選挙裁判所のコンピューターに送信され、そこで投票が合計され、結果が上級選挙裁判所に送信されていました。

 今年からは、上級選挙裁判所に一元化されました。連邦警察は、選挙の投票合計を上級選挙裁判所に集中させることで、データの公開を最小限に抑え、「運用上のセキュリティを大幅に向上させられる」としています。

航空手荷物の無料法案が下院通過=ブラジル=

 ブラジルのメディアによると、下院は26日、政府の反対を押し切り、国内線で最大23 kg、国際線で最大30kgの荷物の無料化の再開を承認しました。航空部門の規則を緩和するもので、上院を通過後に有効になります。

 現在、国内線で23 kg、国際線で32 kgの荷物は、追加料金が要求されます。請求が認められた2016年には、これを行うことで航空料金が安くなると説明されていました。しかし、実際には航空料金は下がらず、2019年に国会で無料の荷物を再開しようとという議論が開始されていました。

日本で普及した盆栽を「芸術品」と紹介

 ブラジルのメディア24日付けが、盆栽の神髄について報じています。

 まず盆栽は、芸術と農業、哲学を融合させたもので、中国で始まり、日本で完成し普及したとしています。次いで具体的な盆栽(ミニ・ツリー)の説明に入り、木の高さは1センチから1メートル、「ぼん」はトレーを意味し、「さい」は栽培、植え付けを意味する、と続けます。

 盆栽は自然に育った木のように小さなトレーで作り上げるミニチュアで、樹齢100年の木に似ている盆栽ほど美しい盆栽と評価されます。その場合、芸術と同様に木のサイズと傾斜、枝の形状が評価の対象になります。盆栽は決まった姿が要求されるわけではなく、木の種類で違い、それを形よく育て作り上げるところに芸術性があります。よく出来た盆栽は200レアルから20,000レアルで取引されます。

 それからサンパウロ州ピラシカバ市の盆栽農家が盆栽の作り方を伝授していきます。盆栽を形作るのはワイヤーで、これで木の形を作ります。盆栽農家は「若いとき枝は上向きに成長するため、ワイヤーを使用して枝を下向きにする。こうすることでより古く、より成熟した木の趣が出来上がる」と説明します。

 見た目で余分と思われる枝は切りますが、。枝が多いほど木は丈夫に育つので、「その加減が難しい」と言います。枝の形成と同様に必要なのは根の手入れです。「盆栽では、植物が生きていけるように細い根を植物の中心に集中させる必要がある。この作業は少なくとも5年は続き、高品質の盆栽を作るつもりなら15年はかかる」と指摘します。

 日本で完成した盆栽の技術は一朝一夕では出来そうもありません。

知床半島観光クルーズ船遭難を報道=ブラジルメディア=

 ブラジルのメディアは24日付けで、北海道知床半島を巡る観光クルーズ船の遭難を報じています。

 記事によると、遭難したと思われるのは23日で、クルーズ船は遭難信号を発し、船が沈みつつあると報告しました。遭難信号を受けた沿岸警備隊は救助に駆けつけ、24日になり10遺体(男性7人、女性3人)を発見しました。

 同船には子ども2人を含む24人の観光客と乗組員2人の計26人が乗船していました。捜索には7隻の船、3機の飛行機、4機のヘリコプターが動員されています。漁業協同組合関係者の話しでは、この日の水中温度は2°Cから3°Cでした。

テメル前大統領がボルソナロ恩赦に異議

 ブラジルのメディアによると、ボルソナロ大統領が21日にボルソナロ支持者のダニエル・シルベイラ下院議員に恩赦を与えた件で、ミシェル・テメル前大統領が22日、恩赦の法令を取り消すよう要望しました。大統領はテメル氏の要求に「ノー」と答えました。

 シルベイラ下議は最高裁から懲役8年9カ月の判決を受け、大統領はその判決を無効にすべく恩赦を与えました。テメル前大統領の要望は、判決が確定するまで、つまり上訴の可能性がなくなるまで、恩赦を停止することを提案したものです。

 テメル氏は提案理由を、「権力間の制度的危機を回避するため」と説明します。同氏は「大統領の恩赦決定は、法廷で最終結論が出た後、つまり上訴の可能性がなくなったときにのみ有効になる。制度的危機を回避するには大統領が恩赦法令を取り消すしかない」と博士号を持つ法の専門家の立場から指摘しました。

 野党は最高裁に上訴し、シルベイラ下議に対する大統領恩赦を停止するよう求めています。

仏検察がカルロス・ゴーン氏に国際逮捕状発行

 ブラジルのメディアによると、フランスの検察は22日、フランスのマスコミに「企業資産の乱用とマネーロンダリングを理由にルノーと日産の元CEOだったブラジルのカルロス・ゴーン氏に対して国際逮捕状を発行した」と 語りました。ゴーン氏はフランスとレバノンの国籍も持ち、現在はレバノンに住んでいます。

 ゴーン氏は、横領の罪で東京で裁判にかけられるところでしたが、2019年に日本から逃亡し、今はベイルートに住んでいます。レバノンは身柄の引き渡しをしていません。

 フランス検察は、ワラント(株式購入権利付き債券)の1つは、ゴーン氏の個人的な使用のためにルノーの資金を流用したとみています。また、逮捕状は2人の息子とスハイルバーワン自動車の元総支配人にも出ており、検察はルノー・日産コンソーシアムとフランス自動車メーカーのオマーン販売代理店との間で疑わしいと見なされる約1500万ユーロ(約21億円)の支払いに関心を示しています。