中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

リオのカーニバルが幕開け

 ブラジルのメディアによると、2年間中止になっていたリオのカーニバル20日、リオ・サンボードロモを会場に幕を開けました。サンバスクールのパレードは4日間続きます。

 22、23両日にはサンバスクール15団体によるパレードが予定されています。両日はリオとサンパウロでテレビの生中継も行われます。この中で優秀と認められた2チームが特別グループに格上げになり、来年のゴールドシリーズにパレードすることになります。

 パレードの内容は様々で、ブラジル歴史の断面を表現したものや、ブラジル・バイアの母と呼ばれるチカ・ザビエルを称えるものなど、各サンバスクールが工夫をこらしたものです。

マクドナルドの顧客データが漏洩

 ブラジルのメディア19日付によると、マクドナルドは、「一部の消費者に送られた17日の電子メールで、ブラジルの顧客データが漏洩したことが判った」と発表しました。事件については国家データ保護庁に通知済みとしています。

 ブラジル・マクドナルドによると、不正アクセスによって盗まれた顧客データは「機密」に属するデータではなく、機密性の低い個人データだったと説明しています。

 ラテンアメリカカリブ海マクドナルドチェーンを展開しているアルコス・ドラドス・ホールディングス(本部はブエノスアイレス)は、「サービスプロバイダーの1つから、ブラジルの機密性の低い個人データへ不正アクセスが行われた」と顧客データの流出を認め、「顧客の個人データを保護するための対策を強化する」としています。

 同社は、「不適切な要求を含む悪意のある電子メールを開かないように」とアドバイスしています。

 フジモリ元ペルー大統領が心不全で入院

 ブラジルのメディアによると、アルベルト・フジモリ元ペルー大統領は2017年の恩赦を最高裁が再び認めたものの米国人権裁判所が恩赦を認めず刑務所に勾留されたままでしたが、17日、血圧が下がり、夜明けに心房細動を起こし始めたため予防措置として入院しました。フジモリ元大統領は同じ症状で3月にも11日間入院していました。

 同大統領は1980年から2000年に起きたテロとの戦いで、25人を虐殺したとして25年の刑を言い渡されています。同氏の服役はすでに15年を数えました。同氏の反テロ作戦を米国人権裁判所は人道に対する罪との判決を下しています。2017年に当時のペルー大統領が恩赦を与えましたが、米国人権裁判所の反対で10カ月後、恩赦を無効にしました。

 さる3月、ペルー最高裁判所は2017年のフジモリ氏に対する恩赦を復活、釈放を認めましたが、1週間前、米国人権裁判所はペルー政府に「実施を控えるよう」命じ、フジモリ氏は拘束されたままでした。

アマゾンで体長2m強の怪魚を釣り上げる

 ブラジルのメディア16日付によると、ブラジル北部のロンドニア州ポルトヴェーリョ地区でスポーツ・フィッシング(キャッチ・アンド・リリース)を楽しむ男性2人が先週、体長2m以上、重さ約130kgのピラルクーを釣り上げ話題になっています。

 ピラルクーは南米アマゾン川流域に棲む世界最大級の淡水魚で、体長は2mから3mです。アマゾン地域では食用として珍重されてきましたが、現在はワシントン条約の保護動物に指定されており、食用に供されているのはほとんどが養殖物です。

 ピラルクーを釣り上げた2人は釣り上げるまでに40分間も格闘したといいます。「私たちは魚を捕まえ、写真を撮り、フックを撮影してから川に戻します。この日も、モンスターを傷つけないよう、ストレスがかからないよう細心の注意を払い、水中で重さと体長を測り、おおよその数字を記録しました」と話しています。

 ロンドニアでは、スポーツ・フィッシング管理は国務省環境開発局で行っており、ピラルクーは4月30日まで禁漁期間です。同局によると、「スポーツ・フィッシングを正しく行えば、動物が自然の中で繁殖できるよう保護するのと同じことです」と言っています。

 環境開発局はスポーツ・フィッシングについて、釣る魚の種類や大きさに合った釣り道具を使う、魚の解放を容易にするためにとげのないフックで釣る、魚の口からフックを外し、体重体長は魚を水中に置いて図る、といった指針を示しています。

 今回、ピラルクーに挑戦したアンダーソンさんとウラディスさんは「私たちが自然の世話をしなければ、魚をランダムに殺す略奪的な漁師がいて、魚の命は終わります。密猟者は武器を携えていることもあり、陸上の動物も平気で撃ち殺します。川の保全はアマゾン盆地の維持には欠かせず、川に行くのは釣りだけでなく、密猟者たちが散らかしたごみ処理を行うためでもあります」とコメントしました。

ペトロブラスの新社長が決まる=ブラジル=

 ブラジルのメディアによると、迷走していたペトロブラスの新社長に14日、ホセ・マウロ・フェレイラ・コエーリョ博士が就任しました。11日に同社理事会に提案され、13日の株主総会で承認されました。

 同氏は、鉱山エネルギー省で石油、天然ガスバイオ燃料部門の秘書を務め、その前は電力を担当する国営企業で12年間働いていました。リオデジャネイロ連邦大学でエネルギー計画の博士号を取得しています。

 エネルギー価格の暴騰を抑えきれないジョアキン・シルバ・エルナ前社長がボルソナロ大統領によって解雇され、その後就任する人がいなく、社長の座は空白になっていました。フェレイラ・コエーリョ新社長は、1,600億米ドルもの負債の削減と燃料価格高騰をどう抑えるかの重荷を担がされます。

 新社長は、「会社と政府とのコミュニケーション不足が問題を複雑にしている」と指摘しますが、現在の燃料価格は国際価格の変動と為替レートに左右されており、両問題を同時に解決するのは容易ではありません。大統領選を前にボルソナロ大統領は燃料価格の抑制が優先事項と考えており、新社長が大統領の期待に応えられるかどうか、注目が集まっています。

 コエリョ氏は「石油を増産し、深海および超深海での石油探査を加速することで利益を生み出し、ペトロブラスの価値を高める。これによって株主とブラジル社会により大きな利益をもたらす」と運営方針を説明しました。

コロンビアの有名な元サッカー選手が死亡

 ブラジルのメディアによると、サッカー・ワールドカップにコロンビア代表として3度出場したフレディ・リンコンさんが14日、交通事故で入院していたコロンビア・カリ市の病院で永眠しました。55歳でした。

 事故が起きたのは11日で、リンコンさんが運転する車とバスが衝突、リンコンさんは頭部を強打し、危篤状態になりました。緊急搬送先の病院では3時間に及ぶ頭部の手術を受けましたが、病状は改善せず、14日に亡くなりました。

 彼は、1990年代にレアルマドリードナポリ、そしてブラジルのパルメイラスコリンチャンスでプレー、1990年、1994年、1998年の3つのサッカー・ワールドカップにはコロンビア代表として出場しました。パルメイラスコリンチャンスではミッドフィールダーとして活躍、クラブ・ワールドカップコリンチャンスを優勝に導いた立役者でした。

 コリンチャンス時代はキャプテンを務め、ファンのアイドル的存在でした。ソーシャルネットワークでは、ブラジルのリンコンファンが死を悼んでいます。

始まったカーニバルの準備=サンパウロ=

 サンパウロのカーニバル・パレードは22,23両日、アニャンビ・サンバドロームで行われます。会場の設営が12日、400人近い係員を動員して始まりました。メディアが報じています。

 ブラジル・イベントプロモーター協会によると、新型コロナの影響で2020年には35万件以上のイベントが中止になりました。この中止で少なくとも900億レアルを失ったとしています。このところワクチン接種が進み、カーニバルも完全ではないものの、開催にこぎつけました。

 カーニバルの開催にあたっては、アーティスト、大工、錠前屋、警備員、受付係、運転手などスタッフ400人以上が雇用されます。カーニバルは仕事を生むイベントでもあります。パレードを実施する各サンバチームにも、小道具、彫刻家、針子など100人以上が雇用され、カーニバルのもたらす経済効果は大きなものがあります。

 過去2年間、カーニバルは新型コロナで中止を余儀なくされました。関係者は今回の開催で、経済も上向くと期待しています。

先住民族が環境破壊法案に反対しデモ=ブラジル=

 ブラジルのメディアによると、先住民族約6,000人が11日、ボルソナロ政権が提出した「環境破壊」法案に反対、血の色をしたペンキを塗った国旗を押したて、棺を担いで鉱山動力省に向けデモを行いました。一部のデモ参加者は鉱山動力省の窓に赤く色付けされた粘土を投げつけ、激しく抗議しました。

 同法案は鉱山や化石燃料の探査、発電所建設の調査、農薬の使用などを許可するもので、先住民は土地を奪い、森林を破壊するとして反対運動を展開しています。デモ参加者は4日からブラジリアでキャンプをして、この日に備えていました。国会は同法案は緊急性があるとして、採決を急ぐよう決定しています。

子供美人コンテストのブラジル代表は7歳の北東部出身

 ブラジルの10日付メディアによると、世界最大の子供向け美人コンテストの「ミニ・ミスユニバース」ブラジル代表に7歳のソフィア・モラエスさん(ミニ・ミスピアウイ州)が選ばれました。同コンテストにブラジル北東部から選出されるのは初めてです。

 ソフィアさんはまだ7歳のため世界大会への出場資格がなく、8歳になる2023年の大会(コロンビアで開催)に出場します。彼女の母ゲルマナ・モラエスさんは、ソフィアさんが「美の世界」に興味を持っていることを知り、美人コンテストへの出場準備を始めると同時にモデルクラブにも登録しました。

 ゲルマナさんは「娘は化粧をしたり、パレードをしたりするのが好きで、ダンスも大好きでバレエもやっている」と話しています。ソフィアさんの将来の夢は小児科医になることだそうです。

アルキミン氏がルラ候補の副大統領

 ブラジル社会党(PSB)は8日、サンパウロ州のジェラルド・アルキミン元知事をルラ大統領候補の副大統領に指名しました。ブラジルのメディアが報じています。サンパウロ市のホテルで開かれたブラジル社会党と労働者党(PT)の話し合いで正式に決まったものです。労働者党のルラ氏も発表に同席しました。労働者党の正式発表は同党の会議が開かれる14日以降になる予定です。

 アルキミン氏はこれまで大統領選に2回立候補し、いずれも敗北しています。今回の選挙でルラ氏が当選すれば、ルラ政権の副大統領として活動することになります。アルキミン氏は「今は寛大さ、偉大さ、そして団結の時だ。政治は孤独ではなく求心力。私たちは私たちの国の再建のために参加する」と主張し、「民主主義に抵抗するボルソナリズムを打ち負かし、この国を取り戻す必要がある」と述べました。

 アルキミン氏は、ブラジル社会民主党(PSDB)の創設者の1人で、同党に33年以上参加していましたが、「変化の時で新しい道筋を描く時だ」と2021年12月末に党を去り、ブラジル社会党に入党しました。これまでに州知事を始め市長、州議会議員、連邦議会議員などを歴任しています。