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パラグアイにドイツ人移住者が増加

 ブラジルのメディア1日付によると、パラグアイにドイツ人が数多く移住してきています。パラグアイ移民当局のデータによると、2021年6月から2022年2月の間にドイツ市民1,324人に居住許可証が発行されています。別の情報によると、違法に入国している移住者もいて、その数は何千人にもなるといいます。

 ドイツからの移民が定着するのはパラナ川のほとりにあるオエナウ、オブリガド、ベラビスタの3つの地域で、この地域には45,000人が住んでいます。ここは1900年にブラジル生まれのドイツ人の子孫と他の少数のドイツ人家族が最初に開拓し、その後ドイツ出身の入植者によって拡大されました。

 こうした事情からここにはドイツ文化とドイツ語の両方があり、ドイツの学校、ドイツのルーテル教会、福音教会が整備され、住民の多くはドイツ語を話します。オブリガド町の入口には「Fuhl dich wie zuHause」(おくつろぎください)とドイツ語で書かれた看板が掛かっているほどです。

 ホエナウのドイツ系であるエンリケ・ハーン市長は「ここに新しい移民がやってくるのは、ここを快適に感じ、住民が彼らを友好的に扱い、ドイツ語を快適に話すことができ、くつろげるからだと思います」と話します。

 ドイツ人が母国を離れ、パラグアイに新天地を求める理由は何なのか------。一つは、新型コロナのパンデミック開始以来の厳しい制限から逃れるためです。二つ目は、ドイツへのイスラム教徒移民の増加です。アンゲラ・メルケル元首相の門戸開放政策で2015年以来、100万人以上の移民と難民(アフガニスタンイラク、シリアから)がドイツに入国したといわれています。

 新パラグアイ移住者の1人は「国内にドイツ人、イスラム教徒グループが形成され、国が分断されつつある。そうあるべきではない。私たちは平和に暮らしたいのですが、多くのイスラム教徒が入国してくれば、それは不可能。犯罪、殺人、レイプも増加している」と指摘します。そして、「パラグアイキリスト教の国であり、私たちはキリスト教の文化から来ている。ここなら、同じ価値観で暮らせる」と語ります。

 4年前に夫と一緒にパラグアイに到着した女性は「ドイツでの年金はどんどん小さくなるばかり。ドイツはもはや私たちの国ではなくなった」と移民の理由を説明しました。