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アルゼンチン大統領にIMFが「貧困層保護を忘れるな」

 国際通貨基金IMF )はアルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領に対し、超自由主義経済改革を推進し財政赤字をゼロに削減しようとする政策で、貧しい階層の保護を忘れてはいけないと勧告しました。ブラジルのメディアによると、ギタ・ゴピナスIMF副局長が25日掲載の「ラ・ナシオン」紙で述べたものです。

 ゴピナス副局長は「財政改善策では、社会援助は削減されることなく、最貧困層に負担がかからないよう調整すべきだ」と強調しています。前日、アルゼンチン大統領は超保守党大会の演説で、社会主義の進歩をさせないよう求め、「社会正義の呼び声に流されないで欲しい」と述べていました。

 ミレイ大統領は演説で「社会主義者は我々の生活を台無しにする」と述べ、スペインの経済学者の言葉を引用、「社会正義は暴力的で不公平だ。つまり、それは公平でも社会的でも何でもない」と強調し、「規制を支持しない、市場の失敗という考えを支持しない、殺人的な中絶計画の推進を許さない、そして社会正義の呼び声に騙されるな 」と語りました。

 ミレイ政権発足の2カ月半の間に、254.2%のインフレ抑制のため通貨の50%切り下げ、価格の完全自由化、規制緩和を実施しています。信用機関は「インフレ率は今年半ばまでに一桁に低下する可能性があるが、さらにインフレ率を低下させ、その水準を維持することが求められる。それには少なくとも1年はかかるだろう」と語っています。