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アルゼンチン新政権のインフレ抑制策は効果的か

 アルゼンチン国民は月に20%から30%もの超インフレに苦しんでいますが、ハビエル・ミレイ新大統領は年間160%を超えていた金利の大幅な引き下げを実施、「インフレ抑制のために必要な措置」と述べました。ただ、多くの経済学者は「金利引き下げは今後数カ月、価格上昇を加速させる」としています。

 ブラジルのメディアによると、ルイス・カプト経済大臣も「当面、インフレは以前よりも進むだろう」とその可能性を認めつつ、「私たちはこれが正しい道であると確信している」と述べています。

 ミレイ大統領は10日の就任演説で、「アルゼンチン経済の深刻な問題を是正するには、国民に最高の努力と痛みを伴う犠牲が必要だ」と宣言しました。そして「短期的には状況が悪化するだろう。しかし、その後、長期にわたって堅実で持続可能な成長の基盤が築かれ、努力の成果が見られるはずだ」と強調しています。

 予言通り、国民の痛みが始まっています。カプト経済大臣が対ドルに対するアルゼンチンペソの50%切り下げを発表した数時間後、石油会社は燃料価格を約40%引き上げ、米国の投資銀行は12月のインフレ率は30%を超えると予想しました。
 
 こうした状況にカプト経済大臣は「インフレの原因は財政赤字だ。公共支出の削減を実施する」と説明し、そのための対策を実施すると述べています。具体策は金利引下げの他、エネルギーと運輸補助金の削減で、専門家は「公共料金の上昇につながる」と見ています。

 ミレイ政権は「最初は上昇するが、しばらくしたら価格は下落に転じる」と説明します。が、専門家は「今後数カ月はインフレが加速し、政権の予想よりも長く高止まりする可能性がある」と指摘しています。