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ガザ和平、ベネズエラの選挙で伯米が会談

 ブラジルのルーラ大統領とブリンケン米国務長官は21日、ブラジリアでガザ和平とベネズエラの選挙について話し合いました。ブラジルのメディアによると、会談で米国務長官は、ガザでの死をホロコーストに例えたルーラ大統領の声明に異議を唱えました。

 伯米会談はブラジル大統領府で両国政府の代表も出席し約2時間行われました。席上、米国務長官は「イスラエルの攻撃で、ガザでパレスチナ人が大量に死亡したことをナチス政権によるユダヤ人絶滅のホロコーストに例えたルーラ大統領の発言に同意しない」と述べました。

 会談終了後、米国大使館が記者会見、「長官は、人質全員の解放を促進し、人道支援を強化し、パレスチナ民間人の保護を改善するためのパートナーとの緊急の取り組みを含め、ガザ紛争に対する米国の取り組みについて話し合った」と発表したのみで、公式にはルーラ大統領の演説に関するブリンケン国務長官の対応には触れませんでした。

 ブラジルのメディアが大統領府関係者から得た情報では、ルーラ大統領のホロコーストに関する声明は会談で取り上げられ、ブリンケン米国務長官は継父がナチスに迫害された生存者だと語るなどルーラ発言にも言及、ルーラ大統領は国務長官の指摘に耳を傾けていました。この話の中で国務長官は「ルーラ声明には同意しない」と述べたと言うことです。
 
 このほか会談では、ベネズエラガイアナ間の紛争も議題に上り、国務長官は紛争を調停し、紛争の拡大を避けようと努力しブラジルの姿勢を称賛しました。紛争はベネズエラガイアナの埋蔵資源地域を併合しようとしたもので、両国間の緊張が極度に高まりました。ブラジルは緊張緩和に努力しました。また、国務長官は今年予定されているベネズエラの大統領選挙にも言及、「マドゥロ政権は民主的で透明性のある選挙を行う必要がある」と強調しました。