中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

ブラジル大統領と米国務長官が会談

 ブラジルのメディアによると、イスラエルと外交面で対立が表面化したブラジルのルーラ大統領は21日、訪伯する米国のブリンケン国務長官と会談します。ブラジル大統領府は「二国間および世界的な問題について話し合う」としか発表していませんが、ガザ地区におけるイスラエルハマスの紛争も議題に上ると見られています。

 ブリンケン国務長官は、国務長官としては初のブラジル訪問で、ブラジル訪問後はアルゼンチンでミレイ大統領と会談する予定です。米国政府は、G20(世界最大の経済大国を束ねるグループ)の議長国であるブラジルに、労働者の権利とエネルギー転換の分野での米国の主張を、両国間のパートナーシップの面から支持を求めると思われます。

 同国務長官ガザ地区の紛争終結に向けた各国間の交渉に参加してきました。米国は、ガザでのイスラエルの軍事作戦をホロコーストに例えたルーラ大統領の声明に「ブラジル政府の公式なものとは考えていない」とコメントしています。その一方で米国は、停戦を求める国連安全保障理事会の決議案(アルジェリアが提出)に対して3度目の拒否権を発動しました。

 米国政府はイスラエルに軍事資金を提供するなど主要な支援国です。ルーラ、バイデン両大統領は気候変動、労働者の権利、民主主義の強化などでは意見が一致していますが、ウクライナ紛争、ガザ紛争では両国間に違いが見られます。そうした面から今回の両国会談の結果に注目が集まっています。