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ブラジル大統領がイスラエルの姿勢を批判

 ブラジルのメディアによると、ルーラ大統領は16日、イスラエルアイザックヘルツォーク大統領と電話会談しました。会談でアイザック大統領はルーラ大統領に「ハマスに拘束されている人質の解放を強く要求して欲しい」と、側面援助を要請しました。ルーラ大統領はこの要請を受け入れると同時に、ガザ地区のブラジル人32人の帰国にイスラエルが支援してくれたことに感謝を表明しました。

 また、会談でルーラ大統領は反ユダヤ主義の行動を強く非難し、ガザ地区の人道状況と子どもの死について懸念を表明するとともに、ブラジルの伝統的な平和主義を強調しました。

 イスラエルは、10月7日にハマスイスラエル領内へのテロ攻撃に対抗して、ここ数日、ガザ地区への爆撃を行っています。電話は、この爆撃の最中にかかってきました。ブラジルは紛争が勃発するやいなやイスラエルと滞在するブラジル人の本国送還の交渉を始めました。同時にイスラエルとは、ガザ地区にいる32人のブラジル系ブラジル人のブラジル送還についても協力を求めました。32人はすでに帰国済みです。

 ルーラ大統領は13日、ガザから帰還したブラジル人を歓迎する演説で、この戦争に対するイスラエルの姿勢を批判し、和平合意を行うための停戦を提唱しました。演説で大統領は、「イスラエルガザ地区を占領し、そこからパレスチナ人を追放したいようだ。それは正しいとは言えず、公平でもない。パレスチナ国家がユダヤ人と共に平和に暮らせるよう、パレスチナ国家の創設を保証しなければならない」と指摘しています。