ブラジルのメディアによると、アルゼンチンで4日から開催される第62回メルコスール首脳会議(ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイで構成)の議長にルーラ大統領が就任します。議長としての大きな課題は、欧州連合(EU)との貿易協定の締結です。ブラジル政府とEUは、2023年末までに貿易協定締結をまとめたい意向です。
しかし、EUは環境問題に関する制裁を定めた追加文書をメルコスールに提示し、ルーラ大統領は「これは脅しだ」と批判し、協定締結の大きな障害になっています。また、ルーラ大統領はメルコスールを脱退したベネズエラの再加盟を提唱しており、これも懸案の一つです。ただ、ニコラス・マドゥロ大統領がブラジリア訪問時の発言が批判を浴びており、今回の会議で議題に上がることはなさそうと言われます。
さらにアルゼンチン政府は、メルコスール諸国がグループとしてのみ貿易協定を結ぶことを提唱し、ウルグアイが中国と二国間協定締結を望んでいることを踏まえ、二国間のみでの協定に反対を表明しています。メルコスール議長としてルーラ大統領はこれにも対処しなければならず、難しい舵取りになりそうです。