ベネズエラとガイアナ両国間で領土をめぐる紛争で緊張が高まり、ブラジルはベネズエラ国境に軍隊を派遣、国境警備を強化しました。ブラジルのメディアによると、ブラジル国防省は4日、ベネズエラとの国境警備を強化するため20台の装甲車を配備しました。ジョゼ・ムシオ国防相は「この地域の地雷対策のための配置だが、地域の安全にも役立つはずだ」と述べています。
両国の同地域を巡る紛争は1841年から続いています。2015年、米国企業がこの地域で油田を発見したため、紛争はより激しさを増してきました。問題の地はエセキボという地域で、ガイアナの約70%にあたる160,000km²の広さです。この面積はイギリス、キューバ、ギリシャよりも広く、ここには推定110億バレルの石油が埋蔵しているとされます。
ベネズエラのマドゥロ政権は「3日の国民投票でガイアナの一部併合を96%が支持した」と発表し、ガイアナは「現在の国境が確立された1899年にパリで行われた書類があるため、われわれが所有者である」と主張しています。ベネズエラの国民投票は国際司法裁判所で、無効と判定しています。
高まる緊張にブラジルは国境警備を強化し、ガイアナも「防衛を強化するためにパートナーと協力している」と述べています。一方、ベネズエラのマドゥロ大統領は、領土編入に向け国民のコンセンサス構築を目指しているところで、「エセキボの併合をなんとか実現する」と述べただけで、具体的な方法には触れていません。