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ベネズエラ検察庁が野党指導者に逮捕状

 ブラジルのメディアによると、ベネズエラ検察庁は5日、2019年に同国大統領を宣言した野党指導者フアン・グアイド氏の逮捕状を発行したと発表しました。検察庁は逮捕状発行の理由を「国営石油会社PDVSAに損害を与えた組織のリーダーとして告発されている」と説明しています。また、インターポール(国際刑事警察機構)に対し緊急警報を出すよう要請しました。

 検察庁は、米国の裁判所はグアイド氏が国営石油生産会社であるPDVSAの資金を個人的な出費のために使用し、国有債務の借り換え条件の受け入れを同社に強制したと認定した、と述べています。また、国営石油会社に対するグアイド氏の行動は、PDVSAの米国子会社であるシトゴの損失に加え、190億米ドルの損失が生じているとしています。

 検察は「グアイド氏の政府(自称)は、PDVSAの米国子会社の資産にアクセスし、それを自社の資金調達に利用し、企業配当に関してPDVSAが持つ権利を回避した」と指摘しました。担当検事は「調査の結果、グアイド氏が国際犯罪者であり、組織化された犯罪組織のリーダーであることが判明した」と述べ、グアイド氏を反逆罪、職権侵害、横領、マネーロンダリングの容疑でも捜査しているとしています。

 グアイド氏は2019年に自らをベネズエラの「大統領」と宣言し、マドゥロ大統領の再選は不正だったと主張しました。 当時、ブラジルや米国など一部の国は同指導者の就任を認めました。しかし、マドゥロ政権打倒を目指す攻勢は時間が経つにつれて挫折し、グアイド暫定政権は2022年末にベネズエラ野党そのものによって排除されました。

 現在、ベネズエラ野党は2024年の大統領選挙に向け、マドゥロ大統領と戦える候補者を決定するため、新たな組織作りに取り組んでいます。