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アマゾンの森林伐採が減少

 ブラジルのメディアによると、国立宇宙研究所が9日、アマゾンの森林伐採率が22%低下したと発表しました。同研究所は、2022年8月から2023年7月までの12カ月間に伐採された面積は9,001km²で、キプロス共和国の面積に相当しますが、前回の調査では11,594km²伐採されており、22.3%減少したことになります。

 マリーナ・シルバ環境・気候変動大臣は「この減少は、私たち全員の努力の結果です」と2019年以来の最低値についてコメントしました。過去20年間で2004年には27.7千km²の森林が伐採されましたが、その後は伐採面積が着実に減少しています。

 現在、森林伐採の増加、記録的な温室効果ガスの排出、先住民族の土地の侵略、アマゾン基金の麻痺など前政権時代は、環境分野の悪化が見られました。これを受け継いだ3期目のルーラ政権は初年度から森林伐採の減少に努め、森林伐採はボルソナロ政権時代の2022年8月から12月までは54%増加しましたが、ルーラ政権発足時の2023年1月から7月にかけては42%減少しています。

 気候観測所は「森を守るというルーラ大統領の意向が具体的な数字として現れたもので、ブラジルが気候計画への復帰を意味する重要な意味を持つ」と語っています。

 森林伐採は減少していますが、現在のアマゾンはこれまでの違法な森林伐採と歴史的な干ばつに苦しんでいます。アマゾナス州は9月に環境非常事態宣言を出したほどです。宇宙研究所によると、10月には同州で3,900件の火災が発生するという過去25年間で最悪の事態に見舞われています。9月はアマゾン盆地で最も干ばつが起きる月ではありますが、気象学者は「今年の状況は異例。違法な森林伐採と干ばつが重なるという最悪の状況下にある」と指摘しています。