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コロンビア大統領が森林保護の国際基金創設を提唱

 ブラジルのメディアによると、7日に就任したコロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は18日、富裕国に対し、アマゾンの手入れや森林伐採地の回復に努力する農民に報酬を支払うよう求めました。ブラジルとの国境にあるレティシア市(コロンビアのアマゾンで森林破壊が進んでいる都市の一つ)を訪問して述べたもので、、11月にエジプトで開催される次の国連気候変動会議ではイニシアティブを発揮するとも語りました。

 ペトロ大統領は「アマゾンの森の乱獲者を逮捕し、いかなる火災にも直ちに対応するよう公的機関に命令した」と述べ、「アマゾン地域は過去15年間で2100万ヘクタールの森林破壊が行われた。これらの土地の回復には、年間約5億米ドルの資金が20年間必要」と訴え、気候変動との闘いを本当に進めたいのであれば、「世界の大企業や富裕層の政府が資金提供する国際基金を創設すべきだ」と指摘しました。

 この資金は、「すでに焼かれたところに森を再生し、弱いところの森を守り、この地域の10万世帯に月給を支払うことに充てる」としています。アマゾン流域の面積は740万平方kmで、南米のほぼ4割を占め、9カ国にまたがっています。この地域の人口は3400万人と推定されています。NGOグローバル・ウィットネスによると、コロンビアは世界で最も生物多様性が豊かな国の一つで、長引く武力紛争で環境リーダーにとっては危険な国といいます。

 国連は、「2018年から2021年の間に森林伐採によりサンパウロ市の面積より大きい7,018平方kmが失われた」としています。