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ブラジル連邦警察がユダヤ人標的のテロリスト逮捕

 ブラジルのメディア9日付によると、連邦警察はヒズボラ過激派(イランの支援を受け、複数の国からテロリストとみなされているレバノンの過激派グループ)と関連のあるグループがブラジル内のユダヤ人を標的としたテロ攻撃を計画しているとして、サンパウロで男2人を逮捕しました。この逮捕を受けブラジル・イスラエル連盟は「テロリズムにはどんな場合でもブラジル社会全体で闘い、拒否されなければならない」というコメントを発表しました。

 連邦警察の逮捕劇は政界にも影響を及ぼし、 ロドリゴパチェコ上院議長は「私たちの国にはユダヤ人、パレスチナ人、アラブ人、ヨーロッパ人、アメリカ人、アジア人が住み、全員が調和して生きている。だからこそ、偏見には、厳しく反論しなければならない。すべての人々を尊重するブラジル人は、絶対に偏見に汚染されてはならない」と人種偏見と闘う必要があると強調しました。

 また、ルイス・ロベルト・バローゾ最高裁判所長官は、ブラジルにはいかなる種類の不寛容にも反対する伝統があると述べ、「反ユダヤ主義ユダヤ人だけでなく、人類全体に多大な犠牲を強いており、これが復活するのは恥ずべきことだ。ブラジルには平和の国、民主主義の国、宗教的寛容の国という良い特徴がある。これまで、すべての宗教、すべての移民が常に歓迎されてきた。キリスト教徒、ユダヤ教徒イスラム教徒、仏教徒は常に保護され、自由に、敬意と配慮を持って自らの信条を実践することができた。ハマスイスラエルの間の戦争はテロ攻撃で始まり、現在では人道危機も引き起こし、世界中の心と心を分裂させている。しかし、ブラジルには、反ユダヤ主義イスラム嫌悪の両方の感情を私たちに生じさせてはならない」と指摘しました。

 連邦警察は、イスラエルと米国からの情報で、テロ行為を行う可能性のあるブラジル人を調査していました。警察はサンパウロ、ミナスジェライス、ブラジリアで11件の捜索・押収令状を執行し、 携帯電話、現金、日記やメモなどの文書を押収しています。

 連邦警察は、公式発表でヒズボラの名前には言及していませんが、TVグローボは逮捕された2人がヒズボラと関係があることを確認しています。捜査対象者の中には組織のメンバーと会うためにレバノンに行った人もいました。