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ブラジルのCOP26での約束は空論か

 ブラジルのメディアによると、気候変動に関する第26回国連会議であるCOP26でボルソナロ政権は、2028年までに違法な森林破壊をゼロにし、2030年までに二酸化炭素排出量を半減させるという目標を発表しました。しかし、ボルソナロ政権の動きを見ると、目標達成とは逆の動きをしていることがデータで読み取れます。

 ブラジルは世界から、地球温暖化の抑制にとって重要な国と見なされており、注目されていました。会議では森林破壊撲滅、汚染ガス排出量を50%削減を約束しましたが、政権は気候変動研究資金の93%を削減するなど、環境問題には消極的です。実際、国の環境指標は2年連続で悪化しています。

 BBCニュースは、ボルソナロ政の間に森林破壊、火災、二酸化炭素排出量がどのように増加したかを示すデータを示し、政権の政策が変わらなければ、目標を達成は難しい、と指摘しています。例を挙げれば、アマゾンの森林破壊は2008年以来12年間で最高レベルに達しました。

 因みにルラ政権下では、環境大臣を先頭に森林破壊と戦うための積極的な計画を実施、アマゾンの森林破壊は約80%減少しました。ボルソナロ政権になってからは、森林破壊が最初の2年間で大幅に増加しました。過去10年間、年間に平均6,493.8㎢焼失、森林の面積が67%減少しています。

 二酸化炭素放出も同様で、2020年は前年より9.5%増加しました。世界とは逆に世界では、約7%減少しています。ブラジルの二酸化炭素の増加は、森林減少が原因とみられています。増加は、パンデミックの経済麻痺起きた排出量の減少を相殺するほどでした。

 環境保護の関係者「排出量を削減する最善の費用対効果は森林破壊を削減することだ。これは最も安価な政策であり、経済的損失をもたらさない」と指摘しています。