中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

ルーラ大統領、国連で安保理改革を訴え

 ブラジルのメディアによると、ルーラ大統領は19日、ニューヨークで開催された国連総会で8度目の演説を行いました。演説は、主に飢餓と不平等との闘い、グローバル・ガバナンス、国連安全保障理事会の改革、気候変動への対策についてでした。これらはルーラ大統領がこれまで国連やブラジルが参加する他の国際フォーラムで繰り返し述べてきたものです。

 今回ルーラ大統領は、発展途上国の参加を拡大し、富裕国側の保護主義を抑え、より公正な貿易を実現する新しい経済関係の必要性について言及し、ロシアが侵略しているウクライナ戦争は「国連加盟国が紛争を終結させるための対話ができていない」と指摘しました。さらに新自由主義と簡単な解決策を売り込む極右の冒険家の台頭を批判しました。
 
 また大統領は「新たな武力紛争を回避するためには国連の安全保障理事会を改革する必要がある」と述べ、「世界で起きた変化、特に発展途上国が国際舞台で重要なプレーヤーとして台頭してきたいま、これを無視することはできない」と、これまでの安全保障理事会のあり方を刷新する必要性を訴えました。

 このためブラジルの外交政策は、「北米やヨーロッパの伝統的なパートナーとの重要な関係を深めるだけでなく、国際的なプレゼンスの拡大と多様化を目指し、中国、ロシア、インド、南アフリカとの関係強化を行っている」と強調しました。