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ブラジル大統領、ロシア・ウクライナ調停を各国首脳に呼びかけ

 ブラジルのメディアによると、ルーラ大統領は、約1年半続いているロシア・ウクライナ戦争終結を目指し調停国家グループの創設を繰り返し提唱していますが、12日にブリュッセル(ベルギー)で行われたラテンアメリカカリブ海諸国共同体と欧州連合の首脳会議の後、中国、インドネシア、インドにこのグループへの参加を呼びかけました。

 ルーラ大統領は「ブラジルは当初から、中国やインドネシアラテンアメリカのパートナーたちと話し合ってきた。適切な時期に、ロシアとウクライナに平和が最善の道であることを納得させることができる国々のグループを作る必要がある」と演説し、グループ結成の必要性を訴えました。そして、「今のところ、ゼレンスキー大統領もプーチン大統領も和平について語ろうとはしていない。それぞれが自分が勝つと思っている。しかし、疲労がある。世界は疲れている。各国は疲れている。だから、いずれ平和が訪れる時が来るだろう。そして、ロシアとウクライナと対話できる国のグループが必要だ」と付け加えました。

 この間、ルーラ大統領はロシアと国境を接するフィンランドウクライナと国境を接するルーマニアの代表と会談、ゼレンスキー大統領やプーチン大統領ともビデオや電話で会談しました。グループ結成は、プーチン大統領が和平交渉に前向きになって初めて実現することになリますが、機は熟していないようです。

 こうしたルーラ大統領の呼びかけに主な国は以下のような姿勢を見せています。
 ①中国は最終的な調停者としての立場に立ち、より多くの国の参加が可能であることを理解している
 ②インドネシアは国連が状況を監視すべきだと主張し、国連には軍事的に貢献する意思がある
 ③インドは各国が外交的に解決策を見出せるよう「支援」する意思がある