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伯米共同声明で米国がアマゾン保護、国連安保理の拡大、人権の推進を表明

 ブラジルのメディアによると、ルーラ大統領とバイデン米国大統領は10日、ホワイトハウスで首脳会談を行い、会談後に共同声明を発表しました。共同声明によると、バイデン大統領はアマゾン基金への協力、国連安全保障理事会の拡大に取り組む、人権の保護に務めると表明しました。声明ではアマゾン基金への資金提供額には触れていませんが、5000万米ドル(約65億円)ぐらいと予測されています。

 アマゾン基金協力について米国は、議会と協力し、アマゾンの保護・保全のために資金を提供し、この地域への投資を促進するとしています。アマゾン基金は、15年前にアマゾンの森林の劣化や破壊を防ぐために設立されました。資金は国際的に寄付を募り、すでにノルウェーやドイツが資金を提供しています。

 国連安全保障理事会拡大について米国は、アフリカ、中南米カリブ海諸国の常任理事国を含む国連安保理の拡大に協力したいと表明し、その目的を「世界の平和と安全に関する差し迫った問題により効果的に対応する能力を高めるため」としています。

 また共同声明ではウクライナ戦争にも言及し、「両大統領は、ロシアによるウクライナの領土保全の侵害とその領土の一部の併合を、国際法の明白な違反」と非難、公正かつ永続的な平和を呼びかけています。さらに両大統領は、労働者の権利、ジェンダー平等、人種的平等など人権の保護に務めると表明しました。

 会談でルーラ大統領はバイデン大統領をブラジルへ招待し、バイデン大統領はそれを受けました。それがいつになるかは未定です。