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コロンビアで、飛行機墜落から1カ月も続く子どもたちの捜索

 ブラジルのメディアによると、コロンビアのアマゾン地方で5月1日、子ども4人を乗せた飛行機が墜落し、1カ月に及ぶ捜索が行われています。これまでに機体の残骸と大人3人の遺体は発見されましたが、子どもたちに関する情報はありません。情報がないことに加え、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領がSNSで「子どもたちが見つかった」と発表した後に投稿を削除するなど、情報が二転三転する奇妙な事件になっています。

 墜落したのはコロンビアのアララクアラからサン・ホセ・デル・グアビアレに向かう小型飛行機で、アマゾンの密林の真ん中に墜落しました。墜落直前、パイロットは助けを求めるアラームを鳴らしています。直後から、訓練を受け、装備を整えた60人のコロンビア軍が周辺の捜索を開始しました。捜索を始めた段階で、子どもたちの母親、先住民のリーダー、航空機のパイロットを含む大人3人の遺体を発見しました。

 行方不明の4人の子どもたちは姉妹(13歳、9歳、4歳、11カ月)で、死亡が確認された母親と一緒に飛行機に搭乗していました。事故から14日後の15日に捜索隊は、赤ちゃんのものと思われる哺乳瓶と、人間が食べた形跡のあるパッションフルーツの皮を発見しました。翌16日に軍は棒や石で作られた即席のシェルターを発見しました。

 そして17日になり、軍は子どもたちのものと思われるハサミと髪のリボンと小さな足跡を発見しました。この時点でペトロ大統領は、SNSで「子どもたちが発見された」と発表、大きな反響を呼びましたが、数時間後、軍隊は「捜索活動では子どもたちが無事であることを示しているが、まだ見つかっていない」と情報を修正し、大統領も発見情報を削除しました。

 子どもたちの祖父は、「子どもたちは、ジャングルに慣れているが、事故の後、恐怖から身を隠したのではないか」と指摘し、「私たちは子どもたちに会いたい、見つけたい。長い間ジャングルの中にいるのだから、大変なことだと思う。でも必ず探し出す」と語りました。