中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

アマゾンの飛行機事故で捜索に活躍した犬が行方不明

 ブラジルのメディアによると、アマゾンの熱帯雨林で5月に小型飛行機が墜落した後、行方不明になっていた4人の子どもたちの捜索に協力したシェパード犬ウィルソンが姿を消し、コロンビア軍が犬の捜索を続けていましたが、28日、捜索を中断すると発表しました。この発表はコロンビアのニュースチャンネルに当局が伝えたものです。

 ウィルソンは墜落事故で亡くなった3人の大人の遺体の捜索を手伝った他、行方不明の子どもたちの捜索にも協力していました。が、犬は捜索中に姿を消してしまいました。犬の捜索はコロンビア軍のほかに先住民も加わり、約100人体制でジャングルに食料を撒いたり、発情期のメス犬を使っておびき寄せる作戦を取ったりしましたが、犬は現れませんでした。

 捜索を指揮した特殊作戦司令官は「我々はあらゆる資源を投入し、あらゆる人的、技術的能力を駆使して、あらゆる努力を惜しまなかった」と語り、「しかし、犬の救出はできなかった」と話しました。捜索隊の中にはジャングルで二度ほど見かけたという人もいますが、救出には至りませんでした。

 司令官は「ウィルソンは任務を終えて帰らぬ軍人の象徴です。私たちは彼と、コロンビア人を守って命を落としたすべての犬たちを称えます」と姿を消したウィルソンを惜しんでいました。

 なお、墜落事故後、40日間行方不明だった子どもたち4人は、6月初旬に生きて救出されました。