中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

コロンビア次期大統領が麻薬政策の転換を約束

 ブラジルのメディアによると、2016年にコロンビア政府とコロンビア革命軍の和平協定の一環として設立されたコロンビア真相究明委員会は28日、「国の指導者たちは麻薬密売がいかにコロンビアの文化、経済、政治に影響を与え、麻薬戦争が国内の武力紛争を引き起こしているかを認識する必要がある」と暴力根絶のための薬物政策転換を提言しました。

 公開された同委員会の報告書は、規制を中心とした薬物関連政策の大幅な変更とともに、政策変更に伴う麻薬対策で世界的な対話の指導的な役割を求めています。また、武器を捨てていないゲリラ集団「民族解放軍」(ELN)との和平交渉を勧め、汚職の撲滅や住民の生活の質の向上と保証にも言及しています。

 提言を発表した同委員会にはコロンビアのグスタボ・ペトロ次期大統領も出席、提言の実践を約束しました。

 真相究明委員会によると、1985年から2018年の麻薬紛争で45万人以上が亡くなっています。また、1990年から2018年には55,770人が誘拐されています。コカインの主要輸出国であるコロンビアは、1980年代に米国からの圧力で麻薬戦争に参入し、現在もコカの撲滅と密売対策で米国から圧力を受け続けています。