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ルーラ大統領が人権侵害のベネズエラ大統領に賛辞

 ブラジルのメディアによると、ルーラ大統領は29日、南米諸国首脳会議を前に大統領府にベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領を迎え熱烈に歓迎しました。記者会見でルーラ大統領は、人権侵害で国連から非難されているマドゥーロ大統領に賛辞を送り、「ベネズエラは民主主義国家」と擁護しました。

 ルーラ大統領は南米の完全な経済的統合を主張しており、報道陣に「マドゥーロ大統領は悪人ではない」と擁護し、ベネズエラへの国際制裁を批判しました。これにマドゥーロ大統領も「各国関係の新時代が始まる」と応えました。

 政治アナリストは、ルーラ大統領がベネズエラとの関係改善で求めている狙いについて、「南米首脳会議は、南米諸国の対話の再開が目的。ルーラ大統領はイデオロギーの違いにとらわれず、対話の前進を求め、各指導者との関係改善を考えている」と説明します。また、同アナリストは「ベネズエラが民主主義国家ではないとしても、220万kmの国境を共有する同国との関係は避けて通れない。同国との関係改善は、現実的な決断だ」とも指摘しました。