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ブラジル、インフレターゲットの改定を否定

 ブラジルのメディアによると、ブラジルのフェルナンド・ハダジ財務大臣は14日、省内で記者会見し、「インフレターゲットの改定は国家通貨評議会の議題にはなっていない」と述べました。ここ数日、ルーラ政権支持者の間では目標値改定の可能性が囁かれています。ハダジ財務大臣はそれを否定するコメントを発表しました。

 インフレ目標は、現在、財務大臣、計画大臣、中央銀行総裁で構成される国家通貨評議会で決定されます。ルーラ政権下での国家通貨評議会初会合は、16日午後に予定されています。ハダジ大臣は議題にはなっていないとしていますが、評議会議長(ハダジ大臣)は緊急の場合、議題以外の項目を含めることができ、インフレ目標改定が議題に上る可能性は残されています。

 この改定にネト中央銀行総裁はテレビの番組で「もっとインフレを促進しかねない」と反対を表明しています。ただルーラ大統領は中央銀行の自律性、現在のインフレ目標金利水準を批判した経緯があり、ルーラ支持者の間では、根強い改定論が噂されていました。

 インフレターゲット制度は経済の安全性を高める目的で導入されました。2023年の目標は3.25%ですが、金融市場はインフレ率を5.79%と目標値を上回るとみています。中央銀行金融政策委員会は今月初め、Selic(政策金利)を年13.75%に維持することを決め、ブラジルは実質金利(インフレ率を割り引く)が世界ランキングの上位に位置するインフレ抑制政策を続行することにしています。