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米国トランプ氏の勢いを恐れるブラジル労働者党

 ブラジルのメディア8日付けによると、ルーラ次期大統領、アルキミン次期副大統領を支援する労働者党は、選挙期間中にボルソナロ大統領、息子のカルロス氏、その他の側近が「偽情報エコシステム」を運用して有権者を惑わせたとして、上級選挙裁判所に訴状を提出しました。

 裁判所は調査開始を決定し、選挙終了までボルソナロチャンネルの収益化停止、ボルソナロドキュメンタリー制作会社の上映を禁止しました。裁判所は、調査対象者の選挙登録を8年間取り消すという最終要求を受け入れるかどうかは、まだ決定していません。

 労働者党陣営のこの訴訟は、4年後の選挙で再びボルソナロ陣営が息を吹き返し、労働者等の前に立ちはだかる危険性を取り除くことに狙いがあります。米国のトランプ前大統領が今回の中間選挙で勢いを増し米国民主党を脅かしていることが、ブラジルでも起きるのではないかと懸念しているためです。

 労働者党はこの訴訟で、ボルソナロ大統領と主要なボルソナロ支持者を無資格者(立候補するための)にすることを目的にしています。ボルソナロ氏が敬愛する共和党のトランプ前米国大統領は、有権者を説得する方法として嘘を使ったと非難され、世論調査の結果を覆すために反民主的行為を奨励したと疑われています。世論調査では現在、その共和党が下院で過半数を固めるのではないかとされています。労働者党はその二の舞を避けたいのです。