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ブラジル上級選挙裁判所が機密漏洩で大統領を批判

 ブラジルのメディアによると、上級選挙裁判所のバローゾ判事は1日、法廷開廷記念式典で、「ボルソナロ大統領が漏洩した機密情報は世界中のハッカーを助ける」と批判しました。大統領は昨年8月4日、ソーシャルメディアに、電子投票システムに対する攻撃の疑いを調査している連邦警察の調査内容を投稿していました。

 調査は連邦最高裁判所の命令で連邦警察が行っていたもので、警察は「大統領の行動には犯罪の疑いがある」としています。バローゾ氏はこうした経緯から大統領を批判したものです。大統領は、今年の選挙で使用される電子投票機について「信頼できない」と電子投票に反対を表明しています。

 バローゾ氏は、「大統領が上級選挙裁判所の情報技術の内部構造を漏らしたため、システムのサイバーセキュリティを強化するた対策を講じる必要があった。自分を守るために、ブラジルの選挙プロセスを犯罪者に暴露するという態度は許せない」と語りました。

 さらに同氏は「用紙による投票の再開についての意見は、電子システムの脆弱性の証拠を提示できないボルソナロ大統領の古い考えだ。電子投票の機密性は十分に保たれている」と切り捨て、議会も「選挙プロセスを混乱させる意図的な試みだ」と議論の再開には否定的です。