中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

英国誌『エコノミスト』がボルソナロ大統領に言及

 ブラジルのメディア8日付によると、世界で最も影響力を持つ英国の政治経済誌の一つ『エコノミスト』が9月10日号の表紙で、ボルソナロ大統領とトランプ前米国大統領を比較しています。話題の表紙は、ボルソナロ大統領の横顔の背景に、ブラジル国旗とトランプの影が配置されています。キャプションには、「トランプになる男」と書かれ、その下に「ボルソナロ、ブラジルで大嘘を準備」と書かれています。

 『エコノミスト』は、「ボルソナロ大統領が選挙に勝っても負けても、ブラジルの民主主義への大きな脅威」と評し、「ブラジルの選挙制度に問題がないにもかかわらず、大統領は証拠もなく疑惑があると提起している」と指摘しています。

 米国では2020年の選挙でトランプ氏は敗れましたが、その後、不正投票があったとして結果を受け入れていません。2021年1月6日、彼の支持者は敗北を覆そうと米国議会に押し寄せました。この事件は、米国の民主主義を脅かす歴史上最も重大な事件の一つになりました。

 『エコノミスト』のレポートは、"Win or lose, Jair Bolsonaro poses a threat to democracy in Brazil "(勝っても負けても、ブラジルの民主主義に脅威を与えるジャイル・ボルソナロ氏 )という見出しがついています。そして「すべての兆候は、彼が選挙に負け、その結果を認めないということだ」という文章が続いています。

 『エコノミスト』誌は、世論調査ではボルソナロ氏が2位につけていると説明し、ボルソナロ氏は選挙で敗北する可能性が高いと指摘しています。また、同誌は「ボルソナロ氏は、クリーンで透明な選挙」であれば結果を受け入れると繰り返し述べている」とも書いていますが、「彼の主張には根拠がなく、疑惑を裏付ける証拠も提示していない」と述べています。

 同誌は、ブラジルの選挙はクリーンで透明性が高く、システムは安全で「改ざんが困難」であると指摘します。続けて同誌は、「ボルソナロ氏は世論調査は間違っている、自分は勝つ方向にあると言い続け、選挙は自分に不利になるように仕組まれているとほのめかしている」と指摘し、証拠がないにもかかわらず支持者の多くは、彼の言葉を信じているとしています。「ボルソナロ氏は選挙違反を糾弾し、有権者の評決を否定するための土台を築いているようだ」と報道しています。