中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

人権団体が大統領に批判的な報告書を発表

 ブラジルのメディアによると、ニューヨークに本拠を置く人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」(HRW)が13日、ブラジルの問題も指摘している2022年の報告書を発表しました。報告書ではブラジルについて、「ボルソナロ大統領が選挙制度の信用を毀損し、表現の自由や司法の独立を脅かしている」としています。

 HRWは、「多くの独裁者は、民主的に選出された指導者よりも国民により良いサービスを提供すると主張するが、多くの場合、独裁者は主に自分たちの利益のために行動し、市民が投票できないように選挙制度を操作し続ける。さらに、独裁者は人種差別主義者、性差別主義者、外国人排斥または同性愛嫌悪を訴え、国民の注意をそらそうとする」と指摘しています。

 そしてHRWは現状を「独裁者を助長する動きがあり、懸念材料になっている。さまざまな野党政党が、腐敗した政治家や抑圧的な指導者を権力から排除することことではなく、政治家として共通の利益を優先するために独裁者に同調し、両者の政治的な違いが薄まってきている」という見解を述べています。

 報告書はブラジルの状況に特化した章が設けられています。そこで「ボルソナロ大統領は、2021年にブラジルの民主主義の柱を数回脅かした」と指摘し、「ブラジルの選挙制度の信用を傷つけようとする試み、表現の自由への脅威、司法の独立脅かす態度」について述べています。この他、アマゾンで進行している森林破壊、先住民に対する攻撃などにも言及しています。