中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

ブラジルのメディアが参議院選結果を詳報

 ブラジルのメディアが10日付で日本の参議院選挙の結果を「安倍晋三氏暗殺後の選挙で与党が大勝利をおさめた」と報じました。安倍首相が所属する与党自民党とその同盟政党である公明党が、「上院の125議席のうち75議席以上を占め、過半数を形成するのに十分な票を獲得した」としています。ブラジルメディアは参議院を上院と表現しています。

 メディアの報じた内容は以下のとおりです。
 安倍晋三前首相が選挙中に暗殺された2日後、日本の与党とその同盟政党は10日(注;日本時間)の上院議員選挙で、過半数を形成するのに十分な票を獲得しました。日本のメディアによると、安倍首相が所属する与党・自由民主党とその同盟政党である公明党は、参議院125議席のうち75議席以上を占め、勢いを強めました。

 自民党公明党は、平和主義的な憲法を改正し、安倍首相の長年の目標である世界的な軍事的役割を強化するのを受け継いでい政党で、暗殺事件以前から、自民党公明党は多数派形成の動きを見せていました。岸田文雄首相は、「選挙が普通に行われたことが重要だと思う」と述べ、新型コロナ、ウクライナ、インフレに積極的に取り組むと話しました。続けて岸田首相は、「元首相殺害事件は投票に影を落としたが、犯罪によって民主主義が崩壊することはない」と主張しました。

 共同通信によると、数議席を失った野党・立憲民主党泉健太党首は敗北を認め、「有権者は変化を望んでいなかった」と述べました。、選挙の投票率は52%でした。

 殺人犯の山上徹也容疑者(41歳)は逮捕され、捜査関係者に「政治家がある組織とつながっていると思ったので、安倍首相を襲った」と供述しています。日本のメディアは、言及された団体は宗教団体で、山上容疑者の母親がその団体に寄付した結果、経済的な困難に見舞われた」と供述しています。

 日本は凶悪犯罪が少なく、武器の携帯にも厳しい法律があるため、選挙イベントでの警備はそれほど厳重ではありません。安倍首相が暗殺された後、岸田首相が出席する行事は警備が厳しくなりました。警察は安倍首相の警備体制に不備があったことを認め、徹底的な調査を約束しました。

 奈良県警の鬼塚智明本部長は「安倍前首相の護衛や警備体制に問題があったことは否定できないと思う」と語り、指揮官は1995年に警察官になって以来、「これほど苦しい反省と後悔はない」と涙をこらえていたといいます。