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ボルソナロ大統領の言葉に免疫関係者が反発

 ブラジルのメディアによると、ボルソナロ大統領が31日に語った「誰もワクチン接種を強制することはできない。ブラジルは民主主義であり、私は暴君ではない」というコメントに、2日になって免疫関係の研究者から「コロナの流行を抑制するのに逆効果だ」と批判の声を上げています。

 ブラジル免疫学会は大統領の言葉に、「ある意味でこの言葉は、人々がワクチン接種を受けたくない、ワクチン接種を重要視しないことを助長する可能性がある。私たちが有意義なワクチンを手に入れても、これでは新型コロナの撲滅をできない可能性がる」と指摘しました。

 また、ラジル予防接種協会も、「予防接種は、世界中の公衆衛生に最大のプラスをもたらす手段の1つであり、歴史を通じて、ワクチン政策は間違いなく死亡率の低下と平均余命の向上に貢献してきた。1例を上げればポリオで、ブラジルでは1989年を最後に発症者がいない。もしワクチンがなければ、ポリオは再発していただろう」と述べ、ワクチンの有効性を強調しています。

 同協会によれば、「予防接種は、人々が病気にならずに免疫を獲得できる手段である」として、予防接種には強制力をもたせることが重要、と語っています。