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ブラジル大統領がクロロキンを全面擁護

 ブラジルのメディアによると、ボルソナロ大統領は5日、マンデッタ元保健相がコロナ禍議会調査委員会(CPI)で証言した「科学的に根拠のないクロロキンを治療薬として推奨した」と述べたことに、「同薬を否定するのは悪党だ」と、大統領府の式典のスピーチで激烈な反論をしました。

 大統領は「新型コロナに感染した私は、クロロキンで早期治療し全快した」と同薬が早期治療に有効であると強調し、「クロロキンの代替薬もないのに、それに反対するのは悪党のすることだ」と決めつけました。

 大統領はまた、「CPIは今年初めのマナウスでの医療崩壊の際にクロロキンを大量に使用した結果を調査するべきだ」と述べ、「パンデミックの最中に同薬の生産と流通に投資しようとした政府に反対した人々は、その理由を説明すべきだ」と語りました

 さらに大統領はスピーチで、新しいコロナウイルスは実験室で生まれたのではないかとほのめかし、「私たちは新しい科学戦争に直面しているのではないか」と疑問を投げかけました。

 この件については世界保健機関(WHO)が3月、「実験室から漏れたウイルスが、人間を襲った可能性は非常に低い」と研究結果を発表しています。