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Anvisa長官が「大統領の考えに与しない」と表明

 ブラジルのメディアによると、国家衛生監督庁(Anvisa)のバラ・トーレス長官は11日、上院のコロナ禍議会調査委員会(CPI)で証言し、コロナウイルス抑制策に関してボルソナロ大統領と意見の相違があったことを明らかにしました。同長官はCPIで大統領と反対の立場を表明した4人目の証言者です。

 トーレス長官は大統領とは友好的であるとしつつも、マスク使用を否定したり、集会を行ったり、ワクチン接種を批判したりする大統領には同調しないと述べました。「大統領はコロナ治療薬にクロロキンを加えるため説明文書の変更を求めたが、同薬は科学的にに効果が無いことが証明されており、その要求を拒否した」と言明しました。続けて、「大統領との政治デモに参加したことを後悔し、今は参加していない」とも述べました。

 また。議員の「大統領が長官の証言に不満を抱く可能性があるが、それでも態度を変えないか」という質問にトーレス長官は、「大統領の行動は私とは異なる」と述べました。トーレス氏の長官就任は、ボルソナロ大統領の指名によることから、この質問が行われたと思われます。

 ワクチンについての諮問も行われました。議員から「大統領は中国製ワクチンは購入しない。中には同ワクチンを接種するとワニになるというものもあった。こうした話の影響はあったのか」と質問しました。トーレス長官は「ワクチンは不可欠で、反対する理由が判らない。このような考えで国民を導くべきではない」と指摘しました。