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ブラジルもワクチン不足が表面化

 ブラジルメディアによると、中国製ワクチン「コロナバック」の製造を担当しているブタンタン研究所が18日、連邦政府と中国の「政治的駆け引き」で、ワクチン原材料のブラジル到着が遅れ、接種スケジュールを変更すると発表しました。2月の接種は予定の30%しか進んでいないとしています。

 この発表は、政府が「接種スケジュールが予定通り進んでいない」と同研究所を非難したことに反論したもので、「スケジュールの遅れは、ブラジル政府が引き起こした中国との外交的軋轢が原因で、原材料到着が遅延となったためだ」と指摘、そして「政府が計画の遅れを我々に押しつけるとは信じられない」と反論しました。

 連邦政府はブタンタン研究所とワクチン4600万回分の購入を契約、2月に930万回分納入と規定しています。「コロナバック」の製造に関わっているサンパウロ州政府は今月初め、中国からの原材料の輸入が極めて困難な状況にあると表明していました。同州のドリア知事は17日、「23日からブタンタンは、340万回分のワクチンを連邦政府に届ける」と発表しています。

 ブタンタン研究所だけでなく、アストラゼネカワクチンを製造するサンタ・クルズ財団の製造も遅れており、政府はワクチン不足に悩み、ファイザー,モデルななど6社と購入交渉を続けています。