中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

大統領のワクチン「コロナバック」への態度が豹変

 ブラジルメディア16日の報道によると、ボルソナロ大統領は、これまで嫌い、「中国ワクチン」と呼び軽視していた「コロナバック」(ブタンタン研究所と中国シノバックが共同開発)に対する態度を豹変させています。これまで大統領は、「コロナバックの有効性は50%ですよ」と嘲笑さえ浮かべていました。

 同ワクチン在庫に関して保健省が目を向け始めたことが、大統領の立ち位置の変化を伺わせます。これまで大統領は、何度か同ワクチンを酷評していました。昨年10月、保健省が同ワクチンを管理するサンパウロのドリア知事と4600万回分を購入する意向の議定書を交わしましたが、翌日、大統領はその議定書を取り消すよう命令しました。

 また、同ワクチン治験に参加していたボランティアの一人が死亡、国立健康監視庁(アンビサ)が治験を中断したとき、大統領は「私がが勝った」と勝利宣言をしたほどです。しかし、ボランティアの死は自殺でワクチンとは無関係と判り、ブタンタン研究所は治験を再開しました。

 同ワクチンは近くアンビサから緊急使用が許可される予定で、そうなれば21日開始される全国免疫プログラム計画で使用されることになります。ドリア知事はサンパウロ州で、同ワクチンを25日から接種を始めると発表しており、これに保健省も同意しました。

 ブタンタン研究所は「コロナバック」の有効性を50.38%発表していますが、「ワクチンは100%、すべてのボランティアを重症または中等度の症例から保護し、死亡した人はいない」と説明、ワクチンを投与されなかった人と比較して、軽度の感染のリスクを78%減少させ、高度な安全性を示している、と自信を見せています。。